大手キャリアだけでなく格安SIMという選択肢が出てきている今、SIMフリーのスマホを購入してよりお得なキャリアにする人が増えてきています。
また、国内向けに販売されているiPhoneだけでなく、海外で販売されているiPhoneを購入して利用するケースも多くなっています。
そこで生じるのが、国内版iPhoneと海外版の違いにはどんなものがあるのか?海外のスマホを日本で使って問題はないのか?という疑問です。
それぞれの特徴を押さえてお得に、そして便利にiPhoneを使いこなしましょう。
目次
海外版iPhoneの特徴とは?
日本で海外版iPhoneとして販売されたり、海外から持ち込んだりする場合、多くは香港版iPhoneのことを指します。
香港で販売、使用されている機種は日本で使用することができると共に、機能的にも日本にはないメリットがあるからです。
もちろん、海外仕様ですので国内で使用する場合には注意点もありますが、そこを押さえた上で購入する必要があります。
物理的デュアルSIMに対応している
香港版iPhoneの中でも、特にXS Maxの人気が高いのが特徴です。
というのも、この機種は物理的なデュアルSIM仕様となっているからです。
SIMカードを2枚挿せるというもので、異なるキャリアのSIMを使い分けられるのがメリットです。
国内版iPhoneでは、nanoSIMと内蔵のeSIMの組み合わせが取られています。
しかし、携帯会社の使い分けをするため、特に海外でお得にWiFiサービスなどを使うためには、SIMカードそのものを二つ入れられる方が有利となります。
そこで、nanoSIMを二つ入れることができる香港版iPhoneの需要が大きいのです。
デュアルSIMを活用することのメリット
二つのSIMカードを入れられると、二つの会社のサービスを切れ目なく使えます。
国内における利用方法としては、通話が安いプランを設けている会社と、ネット接続が安い会社の二つに契約して使い分けるというものがあります。
しかし、特にメリットを発揮するのは、海外渡航が多い人です。
日本国内で使うSIMと出張先の国のSIMの両方を入れておけば、現地に行った時や帰国した時に、契約をし直したりSIMを入れ直したりする手間がありませんので、とても楽なのです。
香港版iPhoneは日本の周波数に対応しているので使いやすい
海外版iPhoneを購入する際には、対応している周波数をチェックする必要があります。
というのも、同じiPhoneでも国や地域によって、受信できる周波数が異なるからです。
その点、香港版の機種はほぼ日本の携帯会社が使っている周波数をカバーしていますので、問題なくそのまま使えるというメリットがあります。
もちろん、いくつかの細かな周波数帯の違いはありますが、通常の使用において不具合を感じることはないでしょう。
ただし、新しくSIMを入れる時には若干の設定変更をしないといけないケースもあります。
国内版iPhone特有の事情とは?
スマホはそれぞれの地域や国によって、独自の仕様や規格を持っています。
これは世界の様々な国に見られる事情なのですが、特に日本の場合はその制約が大きい傾向にあります。
国内版iPhone特有の仕様というものを理解することで、適合している海外版iPhoneを正しく選べるようにもなります。
「技適マーク」という認証制度がある
国内版iPhone特有の事情という面で最も特徴的なのが、「技適マーク」という制度です。
これは日本国内における、技術的また法的な規制をクリアしているということを証明するものです。
国内で使用できる無線周波数バンドやその強さなどに適合しているスマホしか、このマークを得ることはできません。
また、本体の細かな技術的な仕様についても、国内の安全基準をクリアしているかどうかという点が見られます。
eSIM押しのiPhone仕様となっている
国内版iPhoneも表示上は、デュアルSIMとなっています。
しかし、これは物理的に二枚のSIMを入れられるというわけではなく、eSIMという仕様を用いています。
eSIMでは、アップルの規格に対応しているキャリア、しかも特定のプランにしか利用できないという制限があります。
チップの入れ替えをする必要がなく、すぐに使えるという利点はありますが、格安スマホ会社にはほとんど対応していないというデメリットもあります。
そのため、実質的にSIMを一つしか使えないという人が多いのです。
日本特有の周波数バンドがある
これは日本だけに限るものではありませんが、それぞれの国や地域で携帯電話に使って良い周波数バンドというものが決まっています。
そして、実際に使用している周波数バンドはキャリアごとに違います。
日本は周波数帯のバリエーションが豊富で、海外版iPhoneを購入しても、少なくてもどこかの会社のサービスを利用することはできます。
しかし、契約したいと思っている会社があるのであれば、その会社が使用している周波数帯に対応している機種を選ばないと使えないことになります。
海外版iPhoneの違いと注意点を理解した上で購入すべき
これまで見てきたように、国内版iPhoneと海外版では機能的には一緒なものの、技術基準や規格が異なるという点があります。
場合によっては、海外版iPhoneを購入しても日本で使用できないという問題が出てくることもあります。
こうした違いと注意点をチェックしてから購入を決めることが大事なのです。
基本的に「技適マーク」なしは使用できない
香港版を始めとして、多くの海外版iPhoneは日本の「技適マーク」を取得していません。
マークなしのスマホを使っていると、不法無線局開設、利用ということになり罰則の対象となってしまいます。
具体的には1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金刑となります。
現実にどこまで取り締まりがなされているかということは別にして、そのままの状態で使うのは違法となりますので注意が必要です。
海外から来た人が使う分には問題なし
香港などから来た人がその国のスマホを使っている場合も処罰されるのかというと、これは対象外となります。
というのも、法律によって海外から持ち込まれたスマホであれば、90日間の使用であれば問題ないということが決められているからです。
さらに、外国の携帯会社のネットワークを使っている場合であれば、規制の対象とはならないという点もあります。
このように、海外から来た人がその国のiPhoneを使うのは問題ありません。
しかし、日本人が日本のキャリアと契約して使うとなると、上記のように規制の対象となるので注意が必要です。
規制と仕様をきちんと理解した上で購入する
海外版iPhoneには、確かに国内版にはない違いとメリットがあります。
そのため、だいぶ高価な販売価格となってるにも関わらず、専門ショップでの売れ行きは好調です。
しかし、同じ機種であったとしても、SIMの仕様や周波数バンドの規格などが違います。
また、日本特有の「技適マーク」などの法的規制もあります。
正しく便利に使うためには、こうした仕様の違いと規制をしっかりと理解した上で購入することが欠かせません。
もし、何か心配な点があったら、お店の人に相談してからにするなど、慎重に決めるようにしましょう。