iPhoneなどでサインインする際に、画面にApple IDのサインインが要求されたことを示すメッセージが表示されることがあります。
しかも、その要求された場所というのが中国や台湾などの国外ということもあって、「海外からのハッキングや乗っ取りではないか」と不安に感じる人が続出中です。
このメッセージは何を意味するのでしょうか。
目次
ハッキングかと心配になる中国からのApple IDサインインの要求とは
自分がサインインしようとしていた場合でも、それが自分の現在地ではなく、中国などの海外から要求されていると表示されては不安に感じるのも当然です。
その不安を解消するためにも、Apple IDのサインインに関するセキュリティシステムについて知っておきましょう。
2ファクタ認証が機能している証拠
iPhoneの画面にApple IDのサインインが要求されたというメッセージが表示されるのは、Appleのセキュリティシステムである「2ファクタ認証」がサインインの際に機能しているからです。
自分がサインインしようとして表示されるということは、しっかりセキュリティが働いているということですので安心してください。
2ファクタ認証も2段階認証の一つ
2段階認証はよく聞きますが、2ファクタ認証はそれとは違うのでしょうか。
2ファクタ認証とは、Appleが採用しているセキュリティシステムで、iCloudにサインインするためのユーザー認証システムです。
以前、iPhoneでは、Apple IDとパスワードだけでユーザー認証できていましたが、iOS10.3から2ファクタ認証が採用され、サインインの際は登録済みのデバイスにApple ID確認コードが送信されるようになりました。
ユーザー認証の際は、必ずそのコードを入力する決まりとなっています。
このような2段構えのセキュリティですので、2ファクタ認証も2段階認証の一つと考えてよいでしょう。
場所検出があまり正確でないのが理由
2ファクタ認証によって、サインインの際にメッセージが表示されることがわかりました。
では、なぜそれが中国などの自分の現在地と異なる場所とされるのでしょうか。
どうやらこれに関しては、Appleの場所検出があまり詳細ではないことが理由のようです。
ご存じのように、Apple製品は世界中に普及しています。
2ファクタ認証も常に世界中で頻繁に行われているということです。
というわけで、サインインが要求された場所を一つずつ詳細に検出していられないというのが理由でしょう。
Apple IDサインインの要求場所には、中国以外にも、台湾、東京都千代田区、大阪市中央区、愛知県名古屋市などがよく表示されるという報告があります。
東京でサインインしようとしているのに、要求された場所が大阪となることなどはよくあることです。
つまり、自分の現在地とサインイン要求場所はそれほど関係ないと考えてよいでしょう。
iPhoneのハッキングや乗っ取りを防ぐためにできること
たとえ中国からの要求と表示されても、それが自分がサインインするタイミングで表示されたのであれば問題ありません。
2ファクタ認証がしっかり機能しているという証拠です。
しかし、自分がサインインしようとしていないのに、サインインを要求されたと表示されるというのならハッキングや乗っ取りの可能性を考えなければなりません。
家族で同じIDを共有している場合
自分のサインインのタイミングと関係なくこのメッセージが表示されるということは、誰かがあなたのApple IDやパスワードでサインインしようとしているということです。
この場合、早急な対処が必要になります。
ただし、一つのApple IDを家族で共有している場合は例外です。
家族の誰かが同じIDで別の端末からサインインしようとしていることが考えられます。
なお、Apple IDは家族で共有するものではなく個人用アカウントです。
家族で共有したい場合はファミリー共有を利用しましょう。
まずはパスワードを変更しよう
家族に心当たりがないのなら、至急パスワードを変更してください。
この表示が出るということは2ファクタ認証が機能しているということですので、2段階目の認証も突破されない限り他人にログインされる恐れはありません。
ただ、IDやパスワードが誰かに知られているわけですから、かなり危険な状況にあることは確かです。
できればApple IDとパスワードの両方とも変更してしまいたいところですが、Apple IDの変更には少々手間がかかるので、まずはすぐできるパスワードを至急変更しておきましょう。
iPhoneハッキングの恐れがある時はAppleサポートに連絡
Apple IDのサインインが要求された場所が、自分の現在地と違う場所であっても心配する必要があることは少ないです。
ただし、自分がサインインしてしようといないのにこのメッセージが表示されるということは、誰かが不正にアクセスしようとしている危険性があります。
まずは至急パスワードを変更し、購入履歴を確認して身に覚えのないものがあった場合はAppleサポートにも連絡してください。