あなたがジャニーズが好きで大ファンだったとします。
コンサートチケットの抽選に当たったら、まずは何をするでしょうか。
せっかく好きなジャニーズに会いに行けるのだからと、オリジナルグッズ作りに励む方もいるでしょう。
気持ちを込めて作ったオリジナルグッズを持っていくことで、大好きなジャニーズに喜んでもらえるような気がして楽しいものです。
しかしオリジナルグッズを作成する時には、著作権について気を付ける必要があります。
大好きなジャニーズの為にも、著作権について理解したうえでオリジナルグッズ作りを行いましょう。
目次
実は怖い著作権
「著作権」という言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな法律なのか知っていて人に教えてあげるほどの知識がある人は少ないのではないでしょうか。
著作権は小説や音楽、絵画などを作成した人が自分の創作物を独占的に利用できる権利のことを指しています。
実は著作権法を違反してしまうと、罰則として10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金を支払わなければいけません。
知らなかったでは済ませられないことなので、著作物を取り扱う時には十分な注意が必要です。
著作権侵害で罰金が発生する
著作物は著作者の死後50年が経過するまでは保護され、第三者に壌渡したり遺族が相続したりできます。
著作者以外の他者は著作物をコピーして利益を得ることはできず、著作者は他者の著作物利用を禁止できます。
著作権は著作物が製作された時点で発生するので、特許のように国や役所に登録や申請の手続きを行う必要はありません。
音楽、映画、建築、地図、写真など思想や感情が創作的に表現された創作物には、必ず著作権が発生します。
自分以外の人の制作物には必ず著作権があると理解しておきましょう。
無断で勝手に利用すると無意識でも著作権侵害の罪を犯してしまうことになります。
人物にも肖像権がある
著作権は創作物に発生する権利ですが、人にも著作権のように権利があります。
例えば盗撮をされた時や無意識にでも他者の撮影した写真に自分が写ってしまっていた場合には、撮影者を訴える権利があります。
個人の人権を守る権利として人に適用される権利を肖像権と呼び、肖像権は著作権とは違って肖像権の持ち主が訴えなければ法律違反にはなりません。
しかし1人ひとりに訴える権利があるので、盗撮を民事で訴えたり写真の削除依頼を申請したりできます。
罪にならないわけではないので、自分の映っている写真が無断でインターネット上に投稿されていて不快だった場合は撮影者を訴えることができます。
肖像権侵害で訴えられないように注意すべき
肖像権侵害は自分が訴える側になる時もあれば、訴えられる側になる可能性も十分に考えられます。
人を傷つける目的で撮影した写真でなくても、自分の写真に写り込んでいる人が周囲に自分の居場所を秘密にしたい場合があります。
不倫相手と会っている時やDV被害者で身を隠して逃げている時など、自分の写った写真がインターネット上に公開されることで困ってしまう人がいます。
SNSが盛んに利用されて写真を投稿する機会が多い現代だからこそ、自分が肖像権で訴えられる可能性があると理解しておかなければいけません。
自分では問題ないと思っていても、突然誰かに訴えられてしまう日が来るかもしれないのです。
パブリシティ権
肖像権はすべての人に適用される個人の人権を守る権利です。
しかし芸能人のように自分そのものを商品として扱う職業の人には、肖像権だけでなく別途パブリシティ権という人権が適用されています。
自分の好きなアイドルやお笑い芸人が出ているだけでテレビ番組を見たり、好きな女優がCMに出ていただけで化粧品を購入したりしてしまう時があるのではないでしょうか。
芸能人の仕事は自分という存在を売ることであり、芸能人の肖像は商品なのです。
パブリシティ権では商品である肖像の利用を他者に許可するか選べる権利が与えられます。
ジャニーズの画像を使用すると違反なのか
オリジナルiPhoneケースを作成する為に自分の好きなジャニーズの画像を使用したい場合、これも場合によってはパブリシティ権侵害になってしまいます。
厳密に言えば訴えられなければ問題にはならないのですが、自分だけで楽しむ為以外の目的では使用できません。
iPhoneケースの場合、スマホを利用している時に他者から見られてしまいます。
iPhoneケースの内側にジャニーズの画像を使用して自分だけで楽しむのであれば問題ありませんが、他者から見られてしまうオリジナルグッズへの画像の使用は基本的には禁止されています。
オリジナルグッズを作ってSNSに投稿
肖像権も著作権も、両方自分だけが楽しむ目的で利用するのであれば訴えられることはありません。
しかしオリジナルグッズを作成して他者に公開したり、オリジナルグッズを販売して利益が発生したりしてしまうと、著作権法違反となります。
自分の好きなジャニーズの画像を使って作ったオリジナルグッズが完成したら、嬉しくてたくさんの人に自慢したくなってしまうかもしれません。
しかしジャニーズや芸能人の画像を使って作ったオリジナルグッズを撮影した写真をインターネット上に投稿するのは、厳密に言えば著作権法違反なのです。
暗黙の了解であることを理解するべき
芸能事務所や芸能人本人に訴えられないからと言って安心してしまっている人もいますが、訴えられないのは芸能人側も少し得をしているからです。
自分の画像を使用したオリジナルグッズの写真が話題になることで、芸能人自身に注目が集まることもあります。
しかし訴えないからと言って許可しているわけではなく、テレビ番組の違法アップロードや画像の転載を禁止する呼びかけは常日頃行われています。
注意を呼びかけられているにも関わらず著作権法違反が繰り返されているのが現状です。
突然芸能人が訴え始める可能性はゼロではなく、常にリスクを抱えていることは理解しておきましょう。
著作権法の許容範囲
具体的にどんな画像なら違反にならずどんな場合なら100%訴えられる可能性はないのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。
著作権法を違反せずに自分の好きなジャニーズのオリジナルグッズが作りたいはずです。
法律違反なのかもしれないと思いながらオリジナルグッズを作成するとなると、楽しくグッズ作りができません。
芸能人だけでなく肖像権侵害の基準について理解しておきましょう。
ジャニーズ事務所は画像の管理に厳しい
芸能人の写真の著作権に対しては、写真を撮影したカメラマンや所属事務所が著作者となります。
芸能人に関する記事をブログに執筆しようと思うと、芸能人の画像を使用したくなるものです。
しかし芸能人の画像には、撮影したカメラマンの著作権だけでなく本人に肖像権という権利があります。
芸能人の画像は使うだけでビジネスとなってしまい、利益がでてしまいます。
ジャニーズ事務所の写真の管理は厳しいことで有名です。
芸能ニュースの記事でも、許可を貰っていないサイトの記事ではジャニーズの画像だけシルエットになっている場合があります。
肖像権侵害に注意
肖像権の侵害は民事で訴えられる可能性があります。
被害者側が訴えてきた場合、民事訴訟を起こされて損害賠償の請求をされてしまうリスクもあります。
画像を勝手に拝借した結果、Googleから目をつけられて検索エンジンに出てこなくなってしまう恐れもあります。
多くのSNSやブログで芸能人の画像が無断で使用されている為、黙殺している芸能事務所もあります。
画像が使われることでプロモーションになっているのであれば、話題になって芸能事務所側が得をするから注意しない場合もあります。
事件に発展する恐れも
実際に起きた事件で、週刊誌に掲載された芸能人の薬物依存のニュースをインターネット上にトレンドブログとして執筆した人物がいたのですが、そのトレンドブログを見た薬物依存の芸能人と芸能事務所が警察に通報したケースがあります。
通報されてしまった結果トレンドブログの執筆者は警察に逮捕されてしまいました。
匿名性の高いインターネットでも、警察で調べるとIPアドレスや位置情報などからブログの執筆者が使用したパソコンがどこにあるのかわかってしまいます。
芸能人に関するニュースを利用すると注目を集めやすい記事が執筆できますが、このような危険性もあるのです。
安全に芸能人の画像を使用する方法
オリジナルiPhoneケースやオリジナルTシャツ作りには使用できない方法なのですが、芸能人本人がSNSに投稿している画像を安全に使用する方法があります。
Twitterやインスタグラムそのものをブログに埋め込む方法です。
SNSそのものが埋め込んで利用できるように作られているので、これらは著作権法違反となりません。
芸能人に関する記事を執筆したい時、画像があった方がわかりやすい記事が執筆できます。
オリジナルグッズ作成には利用できない方法ですが、自分のブログに芸能人の画像を使用したい場合はSNSの埋め込み機能を上手く利用しましょう。
権利の所有者に訴えられたら犯罪
著作権、肖像権ともに権利の所有者から訴えられるまでは罪になりません。
インターネット上で多くの画像無断で使用されてしまっていることで、芸能事務所も1人ひとり注意できない状態になってしまっています。
しかし皆がやっているから大丈夫だと安心することもできません。
偶然、自分が軽い気持ちで使用した芸能人の画像をきっかけに芸能事務所や芸能人本人が警察に通報してしまうこともあります。
通報されてしまったら罪から逃れることはできず、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金を支払わなければいけなくなります。
無断で芸能人の画像を使用しないのが最も安全ですが、使用したい場合は芸能人本人がSNSに投稿した画像を埋め込み機能で利用するようにしましょう。