iPhoneでネット回線が遅い時、どういった対処をしていますか?
一般的に認知度が高い方法は、iPhoneの再起動をする、Wi-Fiの回線設定を見直してみるといった、端末本体の設定に関する対処法です。
それで直らなかったら諦めてその速度のまま続行するか、ネット使用を止める人もいるのではないでしょうか。
しかし中断できる趣味ならまだしも、どうしても切断できない時にそうした事態に陥ってしまう事もあります。
実はWi-Fi回線が遅い原因は端末本体だけでなく、ルーターの設定・機材の位置関係や時間帯なども絡んでいる事もあります。
どうしようもないとか、買い替えるしかないと思っていた問題が、自分でできるちょっとした対処で解決する可能性があるのです。
目次
問題解決の前準備!Wi-Fiが遅い原因の特定方法
Wi-Fi通信が遅い際の問題点は、大まかに「iPhone端末の問題」「ルーター端末の問題」「回線そのものの問題」の3点に分けられます。
特に端末側の問題の場合、設定を変えるだけで解決する問題であれ、修理が必要な問題であれ、どちらの端末に不具合があるのか確認しなければなりません。
そうしないと、壊れていなかったり、問題がなかったりする方の対処に余計な時間を取られてしまいます。
問題がどこにあるのか洗い出し、適切な対処を行っていきましょう。
別のWi-Fiスポットでの速度を確認する
もしも自宅のWi-Fi回線が遅い場合、他の公共施設や店舗でのWi-Fiスポットでの接続を試してみましょう。
速度が改善した場合は自宅ルーター端末の問題で、特に変わりない場合はiPhone側の問題である可能性が高まります。
後者の場合は「iPhone端末もルーター端末もなんらかの不具合がある」可能性もあるので、後述するiPhone・ルーター双方の設定や対処を全て試して、個人レベルで復旧できる問題かどうか試してみましょう。
回線そのものの問題とは?
回線を提供しているプロバイダ、キャリアそのものが、何らかの原因で回線が重くなっている、帯域制限している事があります。
この場合、個人でどうにかできる事はありません。
回線が重い程度であれば、時間はかかってもプロバイダ・キャリア公式サイトで障害発生の情報を得る事ができますが、完全に切断されてしまうとしばらく情報を得る事ができません。
ただし、プロバイダ・キャリアによってはそうした問題発生におけるメンテナンス等を、設定しておけば事前にメール告知してくれる事があります。
そうした事前設定をする以外、特にできる事はありませんが、回線そのものは時間経過で解決することがほとんどです。
復旧を待ち、回線使用は一時あきらめましょう。
原因がiPhone端末にあるケースの対処法・周波数
別のWi-Fiスポットでも遅さが変わらない、或いは友人や家族と一緒に使っていて自分のiPhoneのWi-Fiだけが遅い場合、使っている端末に問題がある可能性が高いです。
従来使っていた設定を何かの弾みで変えてしまった場合は設定を元に戻す、つまり設定のリセットで元の状態に戻せます。
しかし他にも、iPhone内で使っている周波数やブラウザの問題、OSの問題等も遅さに絡んでいる事があります。
Wi-Fiの接続先を切り替えてみる
近年一般的な家庭用ルーターでは1台につき、2通りからの接続先が表示されています。
これは片方が2.4GHz、もう一方は5GHzという、異なる周波数でWi-Fiのアクセスポイントが設定されている為です。
2.4GHz接続の方が良いケース
2.4GHz周波数の特徴は、「強く・遠くまで電波を飛ばせる」事です。
5GHzよりも障害物にも強く、ルーターが設置されている場所から階をまたいだり部屋をまたいだりするWi-Fi利用に向いています。
しかし2.4GHzという周波数は従来の家電等でも利用されている周波数で、特に電子レンジでの使用ケースが多い周波数でもあります。
そうした家電の使用時に発せられる周波数によって、2.4GHzのWi-Fiは混線したり不安定になったりすることがあります。
5GHz接続の方が良いケース
5GHz周波数の特徴は、「ルーター以外使用しない周波数で安定している」事です。
先述した2.4GHzの方が障害物に強い等の特徴があるのに対し、5GHzは障害物に弱めで、あまりルーターがある場所から階や部屋をまたいだ状態での利用に向いていません。
しかし、無線ルーターが置いてある部屋での利用であれば、2.4GHzよりも他家電の影響を受けない点で、通信が安定するのは5GHzの方なのです。
Wi-Fi中継機でより安定した通信も
距離に強いが影響されやすい2.4GHz、安定しているが距離に弱い5GHz、この2択となってしまうと悩ましいですが、このどちらも「Wi-Fi中継機」を用いる事で、従来の環境よりもWi-Fi通信を安定させることが可能です。
2.4GHz・5GHzのどちらも利用できるデュアルバンド同時接続タイプや、複数台設置も可能なタイプ、設置がコンセントに刺すだけでOKのタイプなど様々な中継機が販売されています。
原因がiPhone端末にあるケースの対処法・ブラウザ・アプリ・OSの問題
Wi-Fiが重いのではなく、実は利用しているブラウザが重いケースもあります。
特にパソコンユーザーでブラウザを個人でログインして利用している場合、履歴やブックマークを共有してしまい、iPhoneのブラウザアプリで見ていないページを含む膨大な履歴データを取り込んでしまい、挙動が重くなる事があります。
またブラウザに限らず、アプリの開き方によって処理が重くなってしまうケースもあるのです。
ブラウザの履歴を消去してみる
ブラウザが重いのならば、ブラウザの履歴を消去する事で重さが改善される可能性があります。
この時、単純に履歴だけを消すのではなく、一緒に「キャッシュされた画像とファイル」も消しておきましょう。
長年履歴を消去していない場合、特に重くなっているのがこの項目です。
簡単に言えば、一度開いたWEBページを再読み込みやすくする為の保存機能が「キャッシュ」であり、注意書きとして「次回アクセス時に重くなる可能性がある」とも表示されています。
しかし頻繁に見るページだけでなく、過去に1度か2度見てそれきりのページのキャッシュまで保存されている為、定期的に削除した方が軽くなる可能性の方が高いのです。
アプリを多重起動しすぎていないかチェックする
アプリをスワイプして閉じるのではなく、ホームボタンを押してホームに戻る→別のアプリを開くのを繰り返していると、iPhoneそのものの動作が遅くなります。
これは利用していないアプリであっても起動し続けている為、その維持によってiPhoneのメモリが割かれてしまっている為です。
また、通信機能のあるアプリであれば更に回線速度が遅くなってしまいます。
機種によって動作が異なることがありますが、ホームボタンの二度押し等で、知らずに起動し続けているアプリが重複していないか確認してみましょう。
使っていないアプリは削除する
メモリは起動しているアプリだけでなく、余計なアプリをダウンロードしている状態であっても消費されています。
メモリの使用量が多い事がiPhoneの挙動の重さに繋がり、それがWi-Fiの重さと誤認してしまうケースもあるのです。
使っていないアプリの削除、画像や動画データが溜まり続けているならばiPhone本体から外部に移動するなど、iPhone本体の環境を軽くしてみましょう。
OSのバージョンが低すぎる可能性も
iPhoneのOSアップデートは設定で任意にすることもできるので、人によっては面倒さからアップデートしないままずっと使っているかもしれません。
OS、オペレーションシステムとはその端末を操作する為のシステムです。
そのアップデートは多くの場合、機能をより効率的に最適化していく反面、端末側がそのアップデートを終えている前提で発信される情報が更新されていく事もあります。
その為、古いOSではネット関連の情報処理が遅くってしまい、それをWi-Fiの遅さと間違えているケースもあります。
アップデートしたばかりのOSで不具合が出る可能性もあるので、すぐにアップデートする事自体は考え物ですが、ずっと更新しないのも同様に弊害があります。
iPhone端末側でのWi-Fi設定リセット方法
接続しているWi-Fiネットワークが上記の理由以外で、一時的な何らかの不具合が発生している場合は、ネットワーク自体の再設定で問題が解決する事があります。
再設定をする際は、現在使っている接続設定の消去を行います。
必ず現在利用しているWi-Fi設定のSSID・パスワードを控えた上で操作しましょう。
Wi-Fi設定をリセットする手順
iPhone内にある「設定」アプリから「Wi-Fi」をタップし、現在のWi-Fi接続情報のページを開きます。
次に現在接続されている(一番上にある)Wi-Fi名の横にあるiマークをタップし、そのページにある「このネットワーク設定を削除」を選択します。
もう一度「Wi-Fi」ページに戻ると、先程まで接続していたWi-Fi名が「ネットワーク」欄の一覧の中に戻っているのでそれをタップし、控えておいたパスワードを入力します。
これでWi-Fi設定はリセットされ、重さが改善される可能性があります。
ネットワーク設定そのものをリセットする手順
ネットワーク設定のリセットを行うと、Wi-Fi設定のパスワード、Bluetoothの登録機器やペアリング情報等、ネットワークに関する全般的な設定が全てリセットされます。
再設定や再登録が必要な情報が多い事から、予め情報を控えておいた上で、ネットワーク関連のリセットは全て試して駄目だった、かつiPhoneそのものの再起動をしても変化が無かった等、試しやすい手段を試した後の最後の手段としておすすめです。
リセット手順自体は簡単です。
設定アプリを開き、「一般」をタップし、下部にある「リセット」をタップします。
続いて「ネットワーク設定をリセットする」をタップし、パスコード入力後に再起動とリセットが実行されます。
原因がルーター端末にあるケースの対処法・端末の再起動、機器確認
Wi-Fiの不調原因がルーターにある場合、再起動で改善されるパターンと、買い替えた方が良いパターンがあります。
再起動で改善されたとしてもすぐに同様の不調が頻発してしまう場合も、ルーター自体を買ったのか何年前か、つないでいるLANケーブルの規格はどういったものか、といった機器自体の確認をしてみましょう。
特にルーター・ケーブルを購入してから5年以上経過している場合、買い替えによって驚くほどの通信速度の改善が起きる可能性があります。
ルーター端末の再起動方法
ルーターが不調の場合、多くのケースで考えられるのは「熱暴走」による不調です。
また、常時接続し続けているルーターが何らかの弾みで、内部でルーターを動かしているファームウェアに不具合が生じてしまうことがあります。
このどちらも、ルーター端末の電源コードを抜き、数分経ってから入れ直す「再起動」によって解消される可能性があります。
コードを抜いてからすぐに再起動させないのは、長時間の接続によって電荷がかかっているルーター本体から放電させる意味があります。
一般的にはこの手法でリセットできますが、メーカーによっては独自の再起動方法があるので、リセット前には取扱説明書を確認しましょう。
ルーター本体・LANケーブルの古さが原因なケースも
Wi-Fiルーターの寿命は、機種本体は4~5年、通信規格は2~6年が目安だと言われています。
Wi-Fiルーターそのものは耐久度が高く製造されており、10年ほどは使用できるものの、経年劣化で通信速度が落ちたり、その間で通信規格が変わってしまう事でも通信速度が変化してしまう可能性があります。
ルーターそのもののセキュリティ性能も新型の方が良くなっているので、あまりに長年使っているルーターは買い替えを検討してみましょう。
同様に、端子が同じことから長年使い回しがちなLANケーブルですが、ケーブルに記載されている「カテゴリ」によって通信性能が異なります。
CAT5、CAT5eのケーブルを使用しているならば、CAT6以上の物に買い替えがおすすめです。
原因がルーター端末にあるケースの対処法・端末の位置調節
Wi-Fiの周波数である2.4GHzと5GHzの違いについて先述しましたが、どちらの周波数であれWi-Fiの電波は出力上限を10mWとし、直線距離でおよそ100~250m範囲に届きます。
しかし壁といった障害物を通過していくことで反射し、減衰していく特性があるのです。
特に電波をブロックしてしまうコンクリート・金属の障害物越しにルーター端末を置き、その反対側でWi-Fiを利用したとしても、回線速度は障害物によって影響を受け、遅くなってしまうのです。
2.4GHzの場合は電子機器の位置も問題になります。
適切な位置にルーターを置き直すだけでも、Wi-Fi速度の改善に繋がる可能性が大いにあります。
なるべく高い場所、なるべく家の中心地に
ルーターは自宅の中でも「なるべく高い場所」、かつ「なるべく中心となる場所」に設置しましょう。
高い位置に設置することで電波は遠くまで飛ばせるようになり、中心地にあることでどの部屋でも均一した電波を届けられるようになります。
この時、ルーターの周辺に囲うような家具を配置してはいけません。
大きい家具、金属、大理石の家具は電波を遮る原因になります。
アンテナが内蔵されているタイプならば、自宅のタイプによってアンテナの向きを調節するのも有効です。
戸建ての住宅ならばアンテナを倒し、マンション・アパートならばアンテナを立てる事で、電波がより通りやすくなります。
Wi-Fiルーターと相性が悪い置き場所
高い場所、中心地という基準を満たしていても、場所によってはルーター設置に適さない事もあります。
部屋の隅や棚の中といった障害物に遮られがちな場所だけでなく、「使用時に電磁波を特に多く発する電子レンジ、ノートパソコンやホットカーペットの付近」、「アクアリウムや水槽といった、水が常に存在している場所の付近」もまたWi-Fiを混線させたり遮ってしまうので、通信を不安定にさせる要因になります。
上記の場所を避けた上で好位置を探し、周囲を整理整頓する事も、Wi-Fiの通信速度改善に繋がります。
思わぬ原因で遅くなってしまうWi-Fiですが、原因を見つけ出し解決する事で、快適な通信環境を作っていきましょう。
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