フリーWi-Fiの環境がない場所で、タブレットやノートPCをインターネット環境に接続したいという場合、テザリングの手段があります。
テザリングとは、iPhoneをWi-Fiルーターのように使う手段のことです。
iPhoneのデータ通信を利用し、タブレットやもう一つのスマートフォンをインターネットに接続することで、Wi-Fi環境がない場所でも端末を使いこなせるようになります。
これまで、ポケットWi-Fiなどの携帯用ルーターに月額利用料をかけていた人も、費用軽減につながるかもしれません。
テザリングの方法やその仕組みをあらかじめ知っておくことで、仕事や趣味の幅が広がるので覚えておくとよいでしょう。
また、注意したい点もいくつか存在します。
併せて覚えておきましょう。
目次
テザリングとは何か詳しく解説
テザリングとは、iPhoneやスマートフォンの機能であるデータ通信を利用して、タブレット端末などのWi-Fi通信を行う機能を指します。
iPhoneがWi-Fiルーターの役割を担いインターネット回線を提供すると考えるとわかりやすいでしょう。
インターネットに接続できるゲーム機器や、ノートパソコンなどもインターネットに接続できるため、対戦型ゲームを楽しみたい場合や、クラウドを介してデータをタイムリーに入手したい場合に役立ちます。
テザリングの利点
今や、カフェや商店街などでWi-Fiスポットが網羅されつつありますが、Wi-Fiが完備されていないオフィスや個人宅もまだ多く存在します。
こういったところでインターネットを利用したプレゼンやデータ通信を行う必要が生じたときに役立つのです。
Wi-Fiに依存しなければいけないタブレット端末なども、テザリングを行うことでとこでもインターネットが楽しめるようになります。
ポータブルWi-Fiが不要になる
「ポケットWi-Fi」などと呼ばれる、携帯タイプのポータブルWi-Fiルーターが存在します。
Wi-Fiが使えない場所でもインターネットに接続できるので重宝していた人もいるでしょう。
テザリングを覚えれば、モバイル端末の一つであるポータブルWi-Fiを持ち歩く必要がなくなります。
ポータブルWi-Fiの月額負担がなくなるため、費用負担が抑えられるでしょう。
大容量通信ができる
iPhone自体、大容量通信ができるモバイル機器です。
テザリングでも映画などの大きな容量の通信が可能です。
電波の安定した場所ならどこでも、ストレスフリーで大容量通信ができます。
フリーWi-Fiの場合、アクセスポイントによっては安定した通信ができない場合があるため、このような場合にテザリングが使えると、効率よく仕事ができるでしょう。
テザリングの接続方法
iPhoneを使ったテザリングの接続には、3つの方法があり、接続機器によって使い方を変えることができます。
またこれらの接続方法にはデメリットもあるため、使い方には注意してください。
Wi-Fi通信での接続
電波でデータのやり取りが叶うため、上り・下りともに通信速度が速いのが特徴です。
2021年6月現在、現行インターネットに接続できる端末の多くはWi-Fi通信に対応した機器が大半です。
iPhone一台あれば、複数の機器と接続できるため、実用的といえます。
しかし、接続機器となるiPhone自体のバッテリー消費が速く、長時間テザリング通信ができないという難点があります。
USB経由での接続
iPhoneとインターネットに接続する端末を、ケーブルを使って直接接続します。
このため、通信に安定性が生まれるほか、通信速度も速いです。
DCアダプタから電源を取っているパソコンと接続することで、iPhoneも充電しながらテザリングができるメリットがあります。
しかし、専用ケーブルを購入する必要があることと、ケーブルを持ち歩かなければいけないのが難点です。
Bluetooth経由での接続
Bluetoothを利用してデータのやり取りができます。
音楽をワイヤレスイヤホンで聴く方法もテザリングの一つといえるでしょう。
Bluetoothを利用すると、iPhone自体のバッテリー消費も少ないので長時間楽しめるメリットがあります。
しかし、タブレットなどの接続機器もBluetooth対応機種であることが大前提です。
Wi-Fiなどと比較しても通信速度が遅いため、大容量のデータのやり取りには時間がかかります。
音楽再生程度が限度でしょう。
納得のいくインターネット通信を期待している場合には、実用的ではありません。
【テザリング】キャリアごとに異なる対応
テザリングは、どのiPhoneでもすぐにできるとは限りません。
契約しているキャリアごとに、テザリングに関する取扱いが異なるからです。
たいていの場合、テザリングを利用する際には事前に申し込みや有料プランへの加入が必要になります。
Softbankの場合
テザリング対応機種を契約することと、「テザリングオプション」への加入が必要になります。
基本的に月額利用料が発生しますが、「データ定額プラン」など、契約するプランによっては無料で利用できます。
ただし、通信データ量の上限があることと、時期によってテザリングオプションの料金体系が変わるため、事前に確認することをおすすめします(2021年6月現在)。
auの場合
テザリング対応機種を契約することと「テザリングオプション」の申し込みが必要となります。
使い放題プランなど現行の料金プランの多くで、無料利用が可能です。
ただし、ピタットプランなど従量課金制のプランで契約している場合は、テザリングによって思わぬ請求が来る可能性もあるので、テザリングを見据えた契約の場合は、加入プランの見直しをおすすめします(2021年6月現在)。
NTTdocomoの場合
NTTdocomoの場合、テザリングは対応機種を利用することでテザリングが利用できます。
申し込みも不要で、かつ月額利用料も不要です。
NTTdocomoの料金プランの多くは、データ通信容量が決まっているため、制限がかかりやすい傾向にあります。
対象機種が限られてきますが、「5Gギガホ」などの料金プランなら、テザリングも無制限で利用できます(2021年6月現在)。
楽天モバイル/Y!mobileの場合
他社の回線に相乗りした格安スマホでもテザリングは可能です。
通話も含めデータ通信だということを理解しましょう。
楽天モバイル、Y!mobileともに、申し込みは不要でかつ利用料も無料です。
特に、楽天モバイルの料金プランは従量課金制ですがシンプルな料金体系で、データ通信が20GB超過後は定額制となるので使うほどお得になるシステムです。
しかし、他社の回線を利用した通信なので、込み合う時間帯はつながりにくくなる可能性が高くなります。
Y!mobileの場合、データ量が上限を超えた場合は、その月末まで通信速度が低速化するので注意してください。
特に音声通話までも低速化する可能性があります(2021年6月現在)。
MVNOなど格安SIMの場合
仮想移動体通信事業者と称されるMVNO各社。
NTTdocomoが提供する「ahamo」がその代表例でしょう。
MVNOの多くが、申し込みや利用料無料でテザリングが利用可能です。
ahamoを例にとると、基本料金内で使えるデータ容量は20GBまでとなり、超過すれば速度制限が入ります。
もちろん、音声通話もデータ通信となります。
20GBまで利用した月は、有料で1GBごとに追加の申し込みが可能です。
20GBは少ないように思えるが、動画閲覧の場合1日1時間の視聴ができるようです。
しかし、動画やアプリなど、iPhoneとしての機能も使いながらテザリングをすることを考えると、容量が足りない可能性も出てくるでしょう。
iPhoneのテザリング方法
iPhoneの場合、テザリング機能を『インターネット共有』といいます。
テザリングを行う際のプロセスは次の通りです。
手元に、iPhoneとテザリングで通信したい機器を準備しましょう。
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STEP1設定画面を開くiPhoneの設定ボタンをタップしてアプリを開きます。設定メニューが出たら、【インターネット共有】を選択しタップ。初期画面では【インターネット共有オフ】というような表示が出ているはずです。
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STEP2テザリング機能をオンにする【インターネット共有】画面では【ほかの人の接続を許可】のボタンをオンにしてください。ここで誤解が生じやすいのですが、『ほかの人』といっても第三者が固有のiPhoneの電波を利用してインターネット接続するという意味ではありません。ただし、設定した【Wi-Fiのパスワード】を第三者に教えれば、固有のiPhoneがテザリングを始めたときに、第三者も接続が可能になるので気を付けましょう。
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STEP3任意のパスワードを設定する接続先のデバイスで入力するためのパスワードを設定します。任意の文字列を入力しましょう。覚えやすいほうが良いですが、セキュリティの観点から、第三者が推測しやすいものは避けるべきです。
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STEP4準備完了~接続これで、iPhone側のテザリングの準備は完了です。ちなみに、SSIDはiPhoneの名前がそのまま反映されます。あとはWi-Fiの電波をつなぎたいモバイル機器でSSIDを検出し、パスワードを入力すれば、インターネットに接続できます。
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STEP5テザリング中のiPhone表示テザリングが行われている場合、iPhoneの上部にあるステータスバーが青くなります。通信速度が落ちている場合や、接続されないという場合は、iPhoneのステータスバーの色を確認するといいでしょう。
Bluetoothの接続方法
Wi-Fi接続によるテザリングの難点は、デバイスがスリープ状態になっただけで回線が切断されることです。
新たに接続を試みる際には、初めから同じ手順を繰り返さなければなりません。
しかし、Bluetooth接続であれば、再接続が必要なくスムーズにテザリングができます。
ただし、この方法はBluetooth対応デバイスに限り有効です。
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STEP1ペアリングをする接続するデバイスのBluetoothメニューを開き、iPhoneとペアリング設定します。iPhoneはBluetoothをオンにしましょう。検出された場合、相手側のデバイスにiPhoneの機種名などが表示されます。
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STEP2コード入力同期させるために、デバイスに表示されたコードをiPhoneに入力します。
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STEP3接続デバイスからiPhoneに接続することで、Bluetoothを経由したテザリングが可能になります。この場合、通信速度が遅いことと、デバイス同士の距離があると通信が不安定になります。わざわざBluetoothでインターネット通信を行うことは無意味でしょう。パソコンのスピーカーで音楽を聴くなど限られた環境で使うとよいです。
USBの接続方法
Wi-Fiに対応していないデバイスを利用する場合や、電波状況が悪く不安定な場所でインターネット通信を行う場合は、Wi-FiよりもUSBケーブルを用いた有線による接続が望ましいです。
この場合、1回線1台の通信に限られるため、複数台を利用したい場合にはよい方法ではないが、Wi-Fi接続がしにくい場合には有益な方法です。
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STEP1テザリングの準備USB端子とiPhoneの端子がついた「充電・転送用ケーブル」を準備しましょう。家電量販店などで、千円程度で購入できます。これがあればテザリングをしない場合でも、パソコンに接続することで充電ができるので一石二鳥でしょう。
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STEP2デバイス同士の接続USB端子は接続したいデバイスに、iPhoneの端子はiPhone側にそれぞれ接続します。ここではパソコンを想定するが、iPhoneを接続した際に接続機器を認識した旨の通知やアイコンが出ればよいです。
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STEP3接続するデバイスの設定パソコンと接続されたデバイスにiPhoneがあることを確認したのち、PCのネットワーク設定を開き、iPhoneのアイコンを選択するだけで通信が可能になります。
テザリングを使う際の注意点
Wi-Fiを利用したテザリングを使う際にはいくつか注意したいことがあります。
思わぬトラブルに発展する可能性も考慮してテザリングを行うことをおすすめします。
ここでは大きな注意点を4つ挙げます。
これまでテザリングを行ってきた人も含め、これらのことを再確認するとよいでしょう。
iPhoneのバッテリーに注意
テザリングは、接続先のデバイスとも更新を行うため、バッテリーの消費が早くなります。
外出先でテザリングが欠かせない場合は、モバイルバッテリーを常時携帯しましょう。
iPhoneの過熱に注意
テザリングの過程で、iPhoneが過熱状態になる場合も考えられます。
iPhone自体過熱すれば、自動的に機能を停止します。
その温度は大体45度程度です。
夏場など気温の高い場所でとくに注意すべきでしょう。
iPhoneが過熱しない環境に置くことも必要です。
テーブルの上に直置きしないなどの工夫をすると、本体の過熱をある程度防げるので実践してみてください。
SSIDに注意
Wi-FiはSSIDとパスワードの組み合わせでインターネット接続が可能になります。
このSSIDは、Wi-Fi電波を発信している場所を示すもので、周辺でインターネットに接続できるデバイスを利用している人すべてに公表されるものです。
初期設定では、iPhoneのSSIDは「花子のiPhone」というように、初めに設定した名前が表示されるようです。
思わぬところで個人特定される可能性があるため、テザリングを行う場合は早い段階でSSIDの変更を行ってください。
利用できる通信量に注意
「テザリングは月額無料」という通信事業者が増えていますが、使い放題というわけではありません。
テザリングオプションが無料なだけで、データ通信を行った場合の通信料は別途発生します。
多くの料金プランの場合、月額利用料の中でデータ通信の上限が設定されています。
その上限内でテザリングができれば問題ありませんが、上限を超えた場合には、通信制限が始まり、データ通信がしにくくなるでしょう。
また、利用した分だけデータ量の請求が来る従量課金制度が適用されることもあります。
SSIDの変更方法
SSIDは思わぬところで個人特定される可能性をはらんでいます。
そのため、早い段階で情報セキュリティを高めておく必要があるでしょう。
ここではSSIDの変更方法を確認します。
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STEP1設定アプリを開く設定アプリを開き、【一般】→【情報】へ進みます。
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STEP2名前を確認する【情報】タブでは名前が確認できます。この名前がSSIDとなるので変更をしましょう。【名前】をタップすると、入力フィールドが出現します。
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STEP3名前を変更するこの入力フィールドで好きな文字列に変更してください。できれば、テザリングデバイスがiPhoneであることや、ユーザーの名前がわからないようなSSID表示にできるとよいです。
テザリングができない!試してみたい対処法
テザリングを試したけれど、うまく接続できない場合があります。
確認方法や対処法があるためトラブルがあった時にはチェックしましょう。
テザリング利用契約をしているか
キャリアによってはテザリングを利用する際には別途申し込みが必要な場合があります。
申し込み状況を確認しましょう。
テザリング利用契約はスマホアプリなどで簡単にできます。
テザリング対応機種か
Wi-Fiに接続できる機種でも、テザリングに対応していない機種もあります。
旧機種に多いので確認しましょう。
もちろん、iPhoneに電波が届かない場所ではテザリング自体もできないので注意してください。
Wi-Fi設定を確認
Wi-Fiの設定がオフになっていると、テザリングができないので、設定画面を確認しましょう。
Wi-Fi設定をオンにしてから再度テザリングの手順を踏むとよいです。
通信制限の可能性
Wi-Fiが繋がっているのに、突然インターネットサイトが表示されなくなったということがあります。
契約している料金プランによって、データ通信の上限が決まっていることが多いです。
上限に達すると、通信制限がかかり高速通信が使えなくなることがあるようです。
累積データ利用量にも注意してください。
再起動をしよう
何度かテザリングを試みてもつながらない場合は、いったんiPhoneを再起動させましょう。
ホーム画面が出た後でテザリングを始めることでうまくいくことが多いです。
iPhoneでテザリングを始めよう
Wi-Fiがつながりにくい場所では、iPhoneのテザリングを利用すると、大容量通信ができます。
キャリアによっては申し込みや利用料が必要ですが、いつでも快適なインターネット接続ができるようになるので試してみるといいでしょう。
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