大手キャリアと比べて、数千円の節約ができるといわれる格安SIM。
大手と料金面で比較されることが多いため、料金の安さだけで選びがちな格安SIMですが、実際に格安SIMを選ぶときに覚えておきたいポイントがあります。
目次
格安SIMは料金で選ぶべき?
格安SIMのキャリアを選ぶとき、つい料金の安さで選びたくなってしまうかもしれません。
しかし、料金の安さだけにこだわって格安SIMを選んでしまうと、使っていて後悔してしまうこともあります。
せっかく格安SIMを選ぶなら料金の安さだけでなく、自分にあった使いやすさと快適さも求めてみましょう。
格安SIMを料金の安さだけで選ばないほうがいい理由
料金の安さが大きな魅力でもある格安SIMを、なぜ料金の安さだけで選ぶべきではないのでしょうか。
それには、主に2つの理由があります。
通信速度が遅いことがある
格安SIMと大手キャリアとの大きな違いは料金だけでなく、通信速度にもあります。
格安SIMは大手通信設備の一部を借りて運営しているため、どうしても大手と比べると通信速度の面で劣ります。
料金の安さだけで格安SIMのキャリアを選んでしまうと、毎日の通信速度が遅くなったり、特定の時間帯に通信速度が下がったりしてしまい、よくスマートフォンでネットを使うという人だと、非常に使い勝手の悪いキャリアとなってしまうでしょう。
格安SIM各キャリアの料金差は少ない
格安SIMのキャリアもかなり数が増えてきました。
そこで気になるのは、どのキャリアを選ぶべきかということです。
大手キャリアから格安SIMに乗り換えをすると、毎月の利用料金は数千円ほど安くなりますが、格安SIMのキャリアだけで考えると、実は各社でそれほど料金に差はありません。
格安SIM各社で同程度の料金プランを比べると、差があっても数百円程度しか違わないのです。
格安SIMのキャリア同士では料金の差で選ぶよりも、ほかにポイントを置くことで快適にスマートフォンを利用できます。
格安SIMを選ぶ前に確認したいこと
実際に格安SIMのキャリアを選ぶ前に、まずは自分の利用状況や端末をどうするかについて確認しましょう。
利用状況と端末のことをはっきりさせておけば、格安SIMのキャリア選びやプラン選びがしやすくなります。
毎月の通信量はどれくらいか
現在の端末で、毎月どれくらいの通信量があるかを調べます。
通信量は各キャリアのマイページ(My docomoやdメニュー、My au、My SoftBank)から確認できるので、自分が毎月何GB(ギガ)程度使用しているのかを把握しておきましょう。
確認するのが難しければ、各キャリアのショップに行って調べてもらうことも可能です。
多くの格安SIMキャリアは、通信量ごとの料金プランを用意しているので、プラン選びの基準となります。
通話はどれくらい使うか
電話での通話をどれくらい使っているのかも把握しておきます。
通話明細は毎月の利用明細で確認できるほか、通信量と同じく各キャリアのショップで確認できます。
格安SIMキャリアでは通話の有無で料金が異なるため、通話量の確認も大事なポイントです。
スマートフォンは新しく購入するのか
続いて、今のスマートフォンをそのまま使いたいか、格安SIMで新しくスマートフォンを購入したいかです。
格安SIMキャリアは大手キャリアの通信設備を使っているため、場合によっては現在使っているスマートフォンをそのまま利用することもできます。
格安SIMでは端末も比較的安価に購入できますが、最初に端末代がかかるかどうかでもキャリアの選び方が異なります。
よりお得な格安SIMを選ぶコツ
自分がどれくらいの通信量・通話量なのか、スマートフォンは新しくするのかを確認したら、格安SIMキャリアを選ぶコツについて知っておきましょう。
選び方のコツがわかれば、自分にあった格安SIMキャリアを絞り込むことができます。
データ通信量にあったプランを選ぶ
大手キャリアと同じように、格安SIMキャリアも毎月のデータ通信量ごとに料金プランを用意しています。
通信量が多ければ多いほど、プランの料金も高くなるので、自分が使う通信量ギリギリのプランを選べば、ムダなくお得に使えます。
たとえば、毎月2.5GB程度使っているなら3GBのプランを、4.9GB程度なら5GBのプランを選ぶと、必要以上の料金を支払うことなく、速度制限も受けずにデータ通信を利用できるというわけです。
自分の通信量にあったプランが選べる会社を選ぶとよいでしょう。
かけ放題プランや通話アプリがあるキャリアを選ぶ
通話をよく使うという人なら、かけ放題プランがあるキャリアを選びましょう。
基本料金にかけ放題のプランをプラスすることで、1回5~10分の通話が無料になったり、24時間かけ放題になったりするプランがあります。
専用の通話アプリを使うとお得に通話ができるキャリアもあるので、通話のプランやアプリの有無も確認しましょう。
今の端末をそのまま使えるキャリアを選ぶ
格安SIMキャリアは大手キャリアの通信設備を使っているため、現在のキャリアによってはスマートフォンを買い替えずに、格安SIMに乗り換えることが可能です。
端末の買い替えが必要ない、今の端末をそのまま使いたいというときは、大手キャリアの端末がそのまま使える格安SIMを選ぶとよいでしょう。
大手キャリア系の代表的な格安SIM
それでは、大手キャリアで購入した端末をそのまま使いたい人におすすめしたい、ドコモ・au・ソフトバンクの回線を使っている格安SIMキャリアから、代表的な会社をピックアップします。
ドコモ回線
エキサイトモバイル
ポータルサイトなどを運営しているエキサイトの格安SIMです。
通信量が決められている定額プランのほか、使った分だけ支払う従量制プランもあり、データ通信を使うときと使わないときがあるという人に向いています。
DMMモバイル
オンラインゲームや電子書籍、ネット英会話など多岐にわたってサービスを提供しているDMM.comの格安SIMです。
1GBからのプランが選べるため、データ通信をほとんど使用しない、動画など大容量データ通信を利用しない、自宅Wi-Fiを中心に使っているなど、毎月の通信量が1GB以下で月額料金を抑えたい人に向いています。
au回線
UQモバイル
au回線を使う格安SIMの中でも、KDDIグループなので通信速度に安定感のあるキャリアです。
通話プランが複数から選べたり、auからの乗り換えだと毎月の料金が半額以下になったりすることも多いため、特にauからの乗り換えを考えている人にぴったりです。
BIGLOBEモバイル・タイプA
大手プロバイダであるBIGLOBEの格安SIMです。
タイプAはau回線を使用するプランで、比較的通信速度も速く、月額料金でYouTubeなどが見放題になるプランもあるため、動画サイトをよく見る人には嬉しいキャリアといえるでしょう。
ソフトバンク回線
ワイモバイル
ソフトバンクが運営している格安SIMです。
10分以内の無料通話がついていたり、通信速度も速かったりと、初めての格安SIMやソフトバンクからの乗り換えにもおすすめできます。
特にソフトバンクからの乗り換えだと、毎月の利用料金が半額以下になることもあります。
LINEモバイル
SNSアプリなどを提供しているLINEの格安SIMです。
LINEモバイルの大きな特徴は、LINEとTwitter、Instagram、そしてFacebookをデータ通信の消費なしで利用できるという点でしょう。
ソフトバンク回線なら比較的通信速度も速く、SNSをたっぷり利用するという人に向いています。
複数の大手回線を提供している代表的な格安SIM
格安SIMキャリアの中には、特定の大手回線だけでなく、複数のキャリア回線から選べる会社もあります。
楽天モバイル
楽天が提供している格安SIMで、ドコモとauから回線を選べます。
楽天市場で付与される楽天スーパーポイントが+2倍になるほか、毎月の支払いに楽天スーパーポイントを使えるので、楽天市場で買い物をよくするという人に向いているキャリアです。
マイネオ
関西電力系列の格安SIMで、ドコモ、au、ソフトバンクそれぞれの回線が使えます。
料金や通信速度は平均的で、家族割や複数回線割り引きが使えたり、余ったデータ通信量を家族でシェアできたりするため、家族みんなで使いたい、複数持ちしたい人にちょうどいいでしょう。
QTモバイル
九州電力グループが運営している格安SIMで、ドコモ、au、ソフトバンクの回線が使えます。
プランによっては他社よりも安くなることがあるので、定額プランでの利用を検討している場合は、乗り換えの候補としておすすめです。
長時間通話することが多いなら2台持ちもおすすめ
格安SIMのかけ放題プランや通話アプリは、キャリアや回線によっては品質が安定しないことがあります。
仕事で長時間・頻繁に電話を使うという場合は、品質が安定している大手キャリアの通話用携帯電話と、データ通信用の格安SIMという2台持ちもおすすめです。
通話用には大手キャリアのガラケーを
通話専用にするなら、ドコモ・au・ソフトバンクの大手キャリアで従来型の携帯電話(ガラケー)を購入し、かけ放題のプランに加入しましょう。
通話専用として使用すれば、データ通信の契約をする必要がないため、毎月の料金を抑えながら高品質な通話ができます。
格安SIMはデータ専用プランを選ぶ
通話以外のメールやSNSのやり取りをするために、格安SIMはデータ専用プランのあるキャリアを選びます。
通話できない分、通話つきのプランよりも安く契約できることが多いため、ガラケーとスマートフォンの2台を契約しても、大手キャリアだけで利用するより節約できる可能性があります。
同じ系列以外の格安SIMに乗り換えたいときは
大手キャリアから格安SIMへの乗り換えを考えている人の中には、ドコモだけどUQモバイルにしたい、auだけどワイモバイルにしたいというように、現在のキャリアとは別系列の格安SIMに乗り換えたいという人もいるでしょう。
そんなとき、今使っているスマートフォンは絶対に使えないのでしょうか。
別系列の格安SIMに乗り換えるときはSIMロック解除をする
今使っているスマートフォンをそのままに、別系列の格安SIMに乗り換えたいときは、端末のSIMロックを解除することで端末を利用できるようになります。
SIMロック解除には、購入から100日経過していることや、SIMロック解除の対象端末であることなどキャリアごとにさまざまな条件があり、条件を満たしていない場合はSIMロックを解除できません。
条件を満たしていれば、自宅などでSIMロック解除の申し込みができますが、契約状況によっては各キャリアのショップでなければ対応できないこともあります。
自分が使っているキャリアの公式サイトなどで、条件について確認しておきましょう。
SIMロック解除をする前に確認すること
先ほどキャリア系列や複数キャリアの回線が使える格安SIMを紹介した通り、大手キャリアで購入した端末をそのまま使える格安SIMキャリアが多数あります。
格安SIMによっては、ドコモ・au・ソフトバンクすべての回線に対応しているキャリアもあり、格安SIMだからといって必ずSIMロック解除をしなければならないわけではないので注意しましょう。
乗り換えをしたい格安SIMキャリアで、どの回線が使われているのか確認することが大切です。
SIMロックの解除が必要かどうかわからない場合は、乗り換え前に格安SIMキャリアに相談してみてください。
格安SIMでありがちな失敗例
料金の安さ以外で格安SIMを選ぶコツを紹介してきましたが、気をつけていないと思わぬところで失敗してしまうことがあります。
格安SIMへの乗り換えや契約前に、しっかり確認しておきましょう。
手持ちのスマートフォンが使えない
格安SIMで新しく端末を購入せず、今使っている端末を使おうとするときに気をつけたいのが、その端末が格安SIMキャリアで実際に使えるかどうかです。
特に販売されて間もない最新機種だと、格安SIMではきちんと動作しない可能性があります。
格安SIM各キャリアの公式サイトで、動作確認が取れている機種の一覧が掲載されているので、今使っている端末をそのまま使いたい場合は、まず動作確認が取れている端末かどうかを調べましょう。
スマートフォンを使えなくなる期間がある
MNPを使って今の電話番号のまま格安SIMに乗り換える場合、キャリアによっては手続きが終わるまでの数日間、スマートフォンが使えなくなることがあります。
使えない期間が出てしまうと、当然電話もメールもできなくなってしまうので、乗り換えの場合は即日契約ができるキャリアや、乗り換えの手続きをするまで現在の端末を使えるキャリアを選ぶことが大切です。
キャリアメールが使えなくなる
大手キャリアでは各キャリアのメールアドレスが発行され、端末でメールの送受信ができます。
大手キャリアから格安SIMに乗り換えると、当然これまでのキャリアメールが使えなくなってしまいます。
さまざまなサービスでキャリアメールを使用している場合は、乗り換えたあとに登録内容の修正などを忘れないようにしましょう。
格安SIMキャリアの中には、大手と同じようにキャリアメールのアドレスを発行できるところもあります。
新しく格安SIMのメールアドレスを作るか、乗り換えでもアドレス変更しないで使えるフリーメールを使うのもおすすめです。
通信量を使い切ると通信速度が大幅に遅くなる
大手キャリアでも定額プランの通信量を使い切ると、通信速度に制限がかかりますが、格安SIMの場合は大手よりも格段に通信速度が遅くなる傾向にあります。
自分にあわせた通信量を選べていない場合、通信速度の遅さにイライラすることになるため、毎月どれくらいの通信量を使っているのか把握しておいてください。
MNP転出料が高い
大手キャリアでは毎月の料金を割引する代わりに、契約変更や解約できる時期が限られている縛り契約があります。
契約内容によって異なりますが、2~4年程度の縛りがあることが一般的で、更新時期以外に変更・解約をすると、違約金を支払わなければならないのです。
格安SIMではこうした契約の縛りがあることが少ない反面、MNPで他社に乗り換えるときのMNP転出料が高額であることがあります。
さらに料金が安い格安SIMに乗り換えて節約できるつもりが、思わぬ高額な出費に繋がることもあるので注意しましょう。
SMSが使えない
メールアドレスやSNSのIDではなく、電話番号で短いメッセージをやり取りできるSMSサービスがあります。
普段LINEやメールでやり取りをしている人はあまり利用しないかもしれませんが、一部のサイトやサービスでSMSを使った認証をしなければならないことがあるため、特にデータ通信専用の格安SIMを考えているときは注意が必要です。
念のためSMSを使える通話タイプ格安SIMを選ぶか、SMSが使えるプランなどを選ぶことをおすすめします。
格安SIMを選ぶ前に注意したいこと
これまで大手キャリアしか利用したことがない人や、機種変更後の設定などをすべてショップでやってもらっている人、初めて格安SIMを選ぶという人の場合、端末選びや通信速度、通話品質以外でつまずいてしまうこともあります。
格安SIMへの乗り換えを決める前に、次のようなことに注意しましょう。
クレジットカード決済しかできないキャリアが多い
格安SIMキャリアは毎月の料金決済にクレジットカードしか対応していない、ということがあります。
限られた決済方法にすることで、経費を抑えて料金の安さに反映させているというわけです。
クレジットカードがない場合や、支払いに使いたくないという場合は、格安SIMの選択肢はぐっと減ってしまいます。
UQモバイルや楽天モバイルなど、一部の格安SIMキャリアでは口座振替に対応しているほか、マイネオやOCNモバイルONEなどデビットカードでの支払いができるキャリアもあります。
クレジットカードで決済できない人は、これらのキャリアを選びましょう。
実店舗がない、または少ない
ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアは、さまざまな地域にショップを出店していますが、格安SIMキャリアは実店舗を持たないことで、料金の安さを実現している会社もあります。
スタッフと相談しながら契約したい、困ったときはショップを頼りたいという場合、格安SIMキャリアは向いているといえません。
その中でもau回線のUQモバイルやソフトバンク回線のワイモバイルは、ほかのキャリアより実店舗の数が多いため、店舗で直接契約したい場合はどちらかを選ぶことをおすすめします。
初期設定を自分でしなければならない
先ほど紹介した通り、格安SIMキャリアは実店舗の数が少ないため、端末の初期設定を自分ですることがほとんどです。
初期設定の手順はサイトや契約時の冊子などで紹介されていますが、慣れていないと時間がかかってしまうでしょう。
初期設定に不安がある場合は、実店舗のある格安SIMキャリアを選んで店舗に行くか、乗り換え・契約前に初期設定の手順をしっかり読み込んで、わからないことがあれば調べるかキャリアのサポートなどを利用してみてください。
故障・不具合時のサポートに不安がある
大手キャリアの料金が格安SIMよりも高い理由のひとつに、困ったときの手厚いサポートがあります。
大手キャリアの場合はショップに行って相談するか、相談窓口に連絡することでたいていのことは解決できますが、格安SIMの場合は店舗も少なく、故障や不具合のトラブルも即時解決とはならないことがほとんどです。
万が一の故障に備えるためには、マイネオなど端末の保証サービスがある格安SIMキャリアを選ぶようにしましょう。
LINEのID検索ができない
離れた友達や家族と新たにLINEでやり取りするときに便利なのが、LINEのID検索です。
LINEでID検索をするときは、契約キャリアで年齢認証をする必要があります。
しかし格安SIMキャリアではそもそも年齢認証ができないため、ID検索ができないのです。
ID検索が利用できないと不便というときは、格安SIMキャリアの中で唯一ID検索に対応しているLINEモバイルを選びましょう。
そのほかのキャリアでも、マイQRコードを発行することでかんたんにやり取りできます。
格安SIM選びに迷ったら…大手格安SIMを選ぼう
ここまでさまざまな選び方のコツや注意点を紹介してきましたが、選び方のポイントが多すぎると、かえってキャリアを選びきれないことがあります。
格安SIMのキャリア選びに悩んだら、実店舗が多く通信速度や通話品質も安定しているUQモバイルやワイモバイル、楽天モバイルなど、格安SIMキャリアの中でも大手を選ぶとよいでしょう。
特に格安SIMで新しくスマートフォンを購入する場合や、子どもやお年寄りなど初めてスマートフォンを持つという人の場合、格安SIMの中でも安定感がある大手の格安SIMを選ぶことをおすすします。
コツさえつかめば格安SIM選びは怖くない
格安SIMのキャリアも増え、どれを選んでいいかわからないという人も増えています。
しかし現在の使用状況や、端末を購入するかどうかなどをしっかり把握することで、自分に向いている格安SIMキャリアは絞り込めます。
まずは通信量と通話量を確認し、どの端末を使うのかを考え、自分にあった格安SIMキャリアと料金プランを選びましょう。
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