格安SIMを使っている人は、ドコモやソフトバンク、auなどのキャリアと比べて回線の通信速度が何となく遅いなと感じたことがあるかもしれません。
どうしてなんだろう?と考えたことはありませんか?
ここでは、格安SIMの回線が遅い理由と、その対策方法をいくつかご紹介しましょう。
目次
格安SIMの回線は大手と違う?
格安SIMの回線は、ドコモやソフトバンク、auなどの大手キャリアの回線の一部分を借りることで、独自のプランやサービスを提供しているという特徴があります。
基本的には大手キャリアの回線に乗るため、全国どこでも繋がりやすいという魅力がありますし、格安SIMでは店舗を持っていない所が多いため、リーズナブルな料金でサービスを提供してくれるというメリットがあるのです。
格安SIM回線は本当に遅いのか?
これまで多くのメディアが格安SIM回線が大手の携帯キャリア回線と比べて本当に通信速度が遅いのかどうか、様々な状況や環境で調査を行ってきました。
その結果、どうやら本当に遅いらしいということが分かっています。
具体的にどのぐらい遅いのかというと、大手キャリアを比べて何と5分の1程度の通信速度なのだとか。
通信速度が5分の1ってどういうこと?
通信速度が5分の1と言われても、具体的にどのぐらい遅いのかを実感することは難しいかもしれません。
通信速度が5分の1というのは、画像や動画が表示されるスピードが5分の1になるということではありません。
体感できる遅さとしては、処理に時間がかかるなとか、動画を見ると動きがスムーズでない時がある、などが挙げられます。
具体的な通信速度はどのぐらい?
大手キャリアの回線でも、回線が混雑している時に通信速度は遅くなります。
大手キャリア回線と格安SIMを比較した場合、環境や状況によって変わるものの、目安としては、大手キャリアなら平均的な通信速度は10Mbps~30Mbps程度なのに対し、格安SIMでは0.2Mbps~5Mbps程度が目安と言われています。
しかし、格安SIMでもサービスによってはこの平均よりも早い通信速度を安定して維持している所もあるため、格安SIMでも速度を比較しながらサービスを選びたいものです。
格安SIMの回線通信速度が遅いのはどうして?
格安SIM回線は、24時間いつも通信速度が遅いというわけではありません。
環境や状況、ユーザーの利用状況などによって遅くなる時間帯が発生するなど、いくつか理由があります。
回線が混雑する
格安SIM回線は、たくさんのユーザーが集中する時間帯では、混雑が原因で通信速度が遅くなる傾向にあります。
具体的にどんな時間帯が混雑しやすいかというと、通学や通勤などで多くの人が携帯を使う朝7時~9時ぐらいの時間帯、働いている人がランチタイムとなる12時~13時あたり、帰宅ラッシュの時間帯にあたる夕方17時~19時、そして自宅で携帯を使う人が多くなる夜21時~23時あたりです。
端末の処理能力が低い
格安SIM回線は、確かに大手キャリアの回線と比べると、通信速度は遅くなることが多いものです。
しかし、いつも遅くてスマホがほとんど使えない、ということはありません。
もしも通信速度が遅すぎて使えない頻度が多い時には、もしかしたらそれは端末の処理能力が低いという原因が考えられます。
格安SIMと端末OSの相性が悪い
格安SIMに対応できる端末はたくさんあります。
その中には、端末のOSと格安SIMとの相性がイマイチということがあり、それが通信速度の低下を引き起こしていることがあります。
電波の状態が良くない
格安SIMの回線は、ドコモやソフトバンク、auなどの大手キャリアの通信設備にPOIという機能を搭載することによって大手キャリア回線の一部を使用しています。
使用しているのは大手キャリア回線の一部なので、電波の状態が良くないと、通信速度が遅くなってしまうことがあります。
利用するユーザーが多い
格安SIMの人気が高まるにつれ、大手キャリアから格安SIM回線に乗り換えるユーザーが増えています。
ユーザーが増えるということは、それだけ回線が日常的に混雑するということです。
回線が全般的に混雑することによって、格安SIMの通信速度が遅くなりやすい傾向があります。
格安SIMの遅い通信速度、どうにかならない?対処法は?
格安SIMは、大手キャリアと比べると、どうしても通信速度という点ではハンデがあります。
これは、格安SIMを使う上では、ある程度我慢しなければいけない部分かもしれません。
しかし、いくつか工夫をする事によって遅さを感じない使い方が可能です。
どのような対処法があるのかをご紹介しましょう。
使用場所を工夫してみる
格安SIMは、大手キャリアの回線と比べると電波が入りづらい環境は多い傾向にあります。
電波状況が良くない場所でいくら使おうとしても、なかなか満足できる通信速度を得ることは難しいでしょう。
そこで、使用場所を工夫して、電波状況が良くて通信速度が速い場所を探してみてはいかがでしょうか。
使用する時間帯を工夫する
格安SIMでは、多くのユーザーが使う時間帯は回線が混雑するため、通信速度は遅くなってしまいます。
アプリのダウンロードやインストールなど、安定した通信速度を必要とする作業は、できるだけ回線が混雑していない時間帯を選んで行うことをおすすめします。
スマホを再起動してみる
もしも通信速度が著しく遅くなることが多い場合には、もしかしたら端末の調子が良くないのかもしれません。
まずは、スマホの電源を一度OFFにし、再度ONにして再起動をしてみてください。
場合によっては、これだけで通信速度がスッキリと改善できることがあります。
スマホを初期化する
スマホにあれもこれもたくさんのアプリをインストールしていると、場合によっては通信速度の低下を引き起こすことがあります。
いろいろな方法で通信速度対策をしてみたけれどほとんど改善できないという時には、スマホを工場出荷状態へ初期化するという方法も一案です。
ただし、初期化の前には必ずバックアップを取ることをおすすめします。
どうしても通信速度の遅さに耐えられない!そんな時にはどうする?
格安SIMを利用する際には、大手キャリアからは得ることができない「リーズナブルな利用料金」を手に入れる代わりに、通信速度の点をある程度妥協しなければいけません。
スマホで何をするかによっては、少しぐらい通信速度が遅くてもOKという人もいれば、遅くてイライラしてしまうという人もいるかもしれません。
大手キャリアへの乗り換えを検討する
格安SIMの通信速度に不満があり、あの手この手で試行錯誤してみたけれど、どうしても日常的な使用にも影響が出てしまうという時には、ドコモやソフトバンク、auなど大手キャリアへの乗り換えも視野に入れて検討してみてはいかがでしょうか?
毎月の利用料金は高くなりますが、快適な通信速度を手に入れることが可能となるでしょう。
大手キャリアと格安SIMの2台持ち
大手キャリアの快適な通信速度と、格安SIMのリーズナブルな利用料金のどちらも満喫したいという人は、2台持ちをするという方法もアリです。
また、SIMフリーのスマホがあれば、1台のスマホで大手キャリアのSIMと格安SIMとを必要に応じて使い分けることも可能です。
格安SIMを変えてみる
格安SIMにはいくつかの種類があり、それぞれ回線や端末との相性や特徴が異なります。
もしかしたら、現在使っている格安SIMでは通信速度の面でトラブルが多くても、別の格安SIMなら、問題は起きづらくなるかもしれません。
どの格安SIMを選べばよいのか?
格安SIMは、たくさんの業者があります。
どのようにして業者選びをしたらよいのでしょうか?
失敗しないUQモバイル
格安SIMの中でも多くの人が利用しているのが、UQモバイルです。
公式ホームページで発表されている通信速度は、下りは最大225Mbpsで上りは最大25Mbpsとなっています。
実際の実行速度はもう少し遅くなるものの、時間帯にかかわらず比較的安定した速度を維持している格安SIMと言えるでしょう。
UQモバイルに乗り換える際には、手数料や違約金を確認し、納得した上で乗り換えることをおすすめします。
この格安SIMには2年縛り契約がある点も知っておきましょう。
Y!mobileも人気が高い格安SIM
格安SIMの中ではY!mobileも人気が高いサービスです。
公式ホームページの発表によると、上り速度は最大37.5Mbpsで下りは最大112.5Mbpsとなっています。
1ヶ月間に利用できるデータ通信量が決められているため、使い切ってしまうと通信速度は遅くなってしまいますが、他の格安SIMと比較すると通信速度が安定していて速いという点が人気の理由となっています。
格安SIMでUQモバイルとY!mobileがおすすめの理由とは?
格安SIMの中でも多くのユーザーが利用していて満足度が高いサービスを提供していると定評があるのが、UQモバイルとY!mobileです。
この2社がおすすめの理由をいくつかご紹介しましょう。
UQモバイルはKDDIの子会社
格安SIMの中でも通信速度に定評があるUQモバイルは、au KDDIの子会社です。
大手キャリアの中ではauと関係が深く、回線の増強を行いやすいという特徴があり、それが安定した早い通信速度の提供につながっています。
UQモバイルのメリット
UQモバイルを選ぶ最大のメリットは、なんといってもデータ通信速度が安定していて高速という点です。
大手キャリアから格安SIMへの乗り換えを検討している人にとっては、失敗しにくいサービスなのです。
UQモバイルのデメリット
高速で安定した通信速度で利用出来るとは言え、UQモバイルは格安SIMのため、データ通信量が3GBと制限がかけられています。
このデータ通信量を超えると速度制限がかかってしまうため、速度は遅くなります。
UQモバイルにはもう一つ、無制限データ通信プランがありますが、こちらは最初から低速なので、通信速度重視で格安SIMを選びたい人にとってはあまりおすすめではありません。
Y!mobileは独自回線を持つ格安SIM
格安SIMの多くは、大手キャリアの回線の一部を借りていますが、Y!mobileは独自の通信回線を持っているという特徴があります。
もともとY!mobileは、イー・モバイルとウィルコムを統合した格安SIM業者で、ソフトバンクが買収をしているため、ソフトバンクが回線のサポートを行っています。
独自の回線を持っているため、場合によっては大手キャリアと同じぐらいの通信速度が期待できることもあります。
Y!mobileのメリット
Y!mobileには、通信速度がかなり高速というメリットに加え、10分以内の通話なら毎月300回まで無料という特典がついています。
その他にも、毎月1,100円(税込)で国内通話が回数と通話時間ともに無制限で利用出来るサービスもあります。
Y!mobileのデメリット
Y!mobileのデメリットは、基本プランのラインナップが少ないという点です。
データ通信量は1GB、3GB、5GBからしか選ぶことができません。
独自の回線を持っているためにサービス利用料が他の格安SIMと比べて高額という点もまた、デメリットと言えます。
格安SIMではスマホを十分に楽しめないのか?
格安SIMというと、大手キャリアと比べると通信速度の面でどうしてもハンデがあります。
しかし、そのハンデは、実際にスマホを楽しむ際にはどこまでマイナスの影響があるのでしょうか?
ネットや動画なら問題ナシ
どんな風にスマホを使うのかによって、どのぐらいの通信速度が必要かは、ユーザーごとに異なります。
しかし、スマホでネットサーフィンをしたり、動画を楽しんだり、またLINEでコミュニケーションをとる程度なら、格安SIMの通信速度でも不満を感じることはほとんどないでしょう。
アプリのダウンロードなどはWi-Fiを使うのもアリ
格安SIMにアプリをダウンロードするなど、データ通信量をたくさん使う時には、自宅のWi-Fi環境を利用するという工夫をすれば、データ通信量を最小限に抑えることができます。
また、アプリのダウンロード以外でも、自宅でスマホを使うことが多い人なら、Wi-Fi環境を利用することができるため、格安SIMのデータ通信量の上限を超えてしまう心配はそれほどないでしょう。
iPhoneでも格安SIMは使えるのか?
スマホの中でも人気が高いiPhoneは、大手キャリアで利用出来るだけでなく、端末をSIMフリーにすれば格安SIMで利用することも可能です。
格安SIMとiPhone容量の関係
iPhoneには、それぞれの機種ごとに複数のデータ容量のモデルがラインナップされています。
基本的に、格安SIMなのか大手キャリアの回線を使うのかという点と、iPhoneの容量に関しては、直接的な関係はありません。
格安SIMだからiPhoneの容量も128GBは必要ない、ということはないのです。
iPhoneの機種によってSIMフリー対応が異なる
iPhoneは、機種によってSIMフリーに対応しているかどうかが異なります。
最新機種ならSIMフリーにも対応していますが、リーズナブルに購入できるiPhone 5~6ぐらいの機種の場合には、SIMフリーに対応しているかどうかが異なりますし、格安SIMで利用出来るかどうかという点も異なるので注意しましょう。
失敗しないiPhoneと格安SIMの選び方
iPhoneと格安SIMは相性があります。
失敗しないためには、ドコモのiPhoneを持っている人なら、ドコモ系の格安SIMを選び、ソフトバンクのiPhoneなら格安SIMもソフトバンク系を選び、auのiPhoneならau系格安SIMのサービスを選ぶという方法が賢明です。
iPhoneをSIMフリーにできれば格安SIMを入れて利用することは可能ですが、相性がよくないと通信速度が遅くなってしまう可能性があるので注意しましょう。
格安SIMの通信速度は工夫次第
格安SIMの通信速度は、大手キャリアと比べるとどうしてもある程度遅くなってしまうことは否めません。
しかし、混雑しやすい時間帯を避けたり、自宅のWi-Fiと併用して使用環境を工夫することによって、遅さを感じることなく使うことが可能です。
格安SIMの中でもユーザーが多いUQモバイルやY!mobileなら、安定した高速通信速度が期待できるので、満足度が高い格安SIMを楽しめるのではないでしょうか。
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