ポケットWi-Fiは気軽に携行できて、場所を選ばずインターネットを利用できるという大きなメリットがありますが、通信速度の低下や野外では通信が繋がらないといった問題が生じることもあります。
このような問題に対しては、その原因や理由を把握することで対処が可能です。
ポケットWi-Fiの通信速度が遅い時や繋がらない場合の原因と対処法を解説します。
目次
ポケットWi-Fiの回線速度が遅い・繋がらない5つの原因
ポケットWi-Fiに回線速度が遅くなったり回線が繋がらなかったりという不具合が発生するのは、主に
- 「Wi-Fiルーターの不具合」
- 「圏外(対応エリア外)にいること」
- 「電波を遮る障害物」
- 「電波干渉」
- 「通信速度制限」
という大きく分けて5つの原因が考えられます。
ここでは5つの原因とその対処法を1つずつ解説していきます。
原因①:Wi-Fiルーターの不具合の場合の対処法
ポケットWi-Fiの通信速度が低下したり通信が切断したりする場合、まず考えられるのがポケットWi-Fiに不具合が生じているということです。
ルーターに不具合が生じていると考えられる場合は、Wi-Fiルーターの再起動を行ってみてください。
電池交換式のWi-Fiルーターの場合は、Wi-Fiルーターの電源を切った後に、一度電池を脱着した上で再起動します。
この時、Wi-Fiルーターだけではなく、接続しているスマートフォンやパソコン等の端末も一度再起動した方が良いでしょう。
上記の操作で不具合が解消しない場合、Wi-Fiルーターのバージョンをアップしてみてください。
Wi-Fiのバージョンアップで、通信の遅延や切断の頻発が解消される場合もあります。
アップデートの方法はW、i-Fiルーターのメーカーや契約しているプロバイダのホームページで確認することができます。
以上の操作を試してみても問題が解消しない場合は、別の原因がある可能性が高くなります。
原因②:圏外(対応エリア外)の場合の対処法
Wi-Fiルーターには特に不具合がないのにも関わらず、通信速度が遅くなったり繋がらなくなったりする場合、利用しているポケットWi-Fiの圏外(対応エリア外)にいることが考えられます。
ポケットWi-Fiで利用できる回線は
- 「docomo(ドコモ)」
- 「au」
- 「softbank(ソフトバンク)」
- 「WiMAX2+(ワイマックス)」
の4つの回線のいずれかです。
基本的に、どの回線も都市部についてはほぼ全域をカバーしているものの、都市部を離れた郊外で利用する場合、対応エリア外となる場所にいる可能性が高くなります。
対応エリアを少し離れただけでも、圏外になってしまうこともあります。
各回線の対応エリアは、それぞれのポケットWi-Fiの公式ホームページで確認することができます。
また、対応エリア内にいるにも関わらず、回線速度が低下したり圏外になってしまうという場合は、そのエリアをカバーする基地局が工事やメンテナンスを行っている可能性も考えられます。
スマートフォンやポケットWi-Fiの送受信は各エリアをカバーしている基地局を介して行われるため、その基地局で工事やメンテナンスが行われると圏外になってしまうわけです。
都市部では同じエリア内に複数の基地局があることが多く、1つの基地局で工事やメンテナンスを行っても、他の基地局がカバーすることで圏外になってしまうことはまずありません。
しかし、都市部を離れた郊外になると、1エリアを1つの基地局でカバーしているというケースも多く、その基地局が工事やメンテナンスを行う際にはポケットWi-Fiが圏外になる可能性が高くなります。
基地局で行われるメンテナンスや工事の情報も、利用しているポケットWi-Fiの公式ホームページに掲載されています。
このような現象が起こる場合は確認してみると良いでしょう。
原因③:電波を遮る障害物がある場合の対処法
回線の対応エリアの中にいるのに、通信速度が低下したり繋がらなかったりといった現象が起こる場合、障害物が電波を遮っている可能性が考えられます。
この問題は特に、WiMAXのポケットWi-Fiで発生する可能性が高くなっています。
ポケットWi-Fiは「docomo」「au」「softbank」「WiMAX」の4社が扱っていることは前述の通りですが、WiMAXを除く3社がLTE回線(700~900MHz)という周波数を使用しているのに対して、WiMAX(2+)はBnd41という周波数(2.5Ghz)を使用しています。
この使用している回線の周波数の違いが、WiMAXが障害物に弱い原因となっています。
実は、LTE回線(プラチナバンド)は障害物に対して強い性質を持っていますが、Band41はLTE回線と比較すると障害物に弱いのです。
これは、LTE回線のプラチナバンドが障害物があっても電波が回り込んで届く性質があるのに対し、WiMAXのBand41は電波が直進する性質を持つため、障害物によって遮られやすくなっているためです。
WiMAXと他3社が違う周波数帯の電波を使用しているのは、WiMAX以外の3社がいわゆる「キャリア」であり、独自の基地局を持って運営しているのに対し、WiMAXはau傘下のMVNOと呼ばれる、独自に基地局を持たず、auに間借りする形で運営される業態を採っていることによります。
障害物が原因で回線速度が遅くなったり繋がりにくくなったりする場合、簡単にできる対処法としては、ポケットWi-Fiルーターを窓際に置くという方法があります。
電波の障害物になるのは高い建物に限らず、家の中の壁やドアなども障害物になっている場合があります。
ですので、家の中で使用する場合は、ルーターを窓際に置いてみるのも有効な対処法となるわけです。
WiMAXを使用していて頻繁にこの問題が発生して困るという場合には、「ハイスピードプラスエリアモード」使用することで改善できる可能性もあります。
WiMAXの「ハイスピードプラスエリアモード」とは、WiMAX2+とauLTEを組み合わせて使用するモードです。
WiMAXがau傘下のMVNOなので、auLTEを同時に使用できるわけです。
このモードを使用すれば、WiMAXの回線では電波の届きにくいような場所でも、安定した接続状態を得ることができます。
月間7GBが上限となりますが、WiMAXを使用していて回線速度が遅かったり繋がりにくかったりする場合には有効な対処法となります。
原因④:電波干渉が発生している場合の対処法
障害物の影響で電波が届きにくくなることがポケットWi-Fiの通信速度低下や切断の原因になることは上述の通りですが、もうひとつ、電波が原因で起こる問題が考えられます。
その問題とは、電子機器によって発生する電磁波とポケットWi-Fiの電波が干渉し合うことです。
上述した問題は基地局とWi-Fiルーター間の通信で起こる電波障害の問題でしたが、この電子機器とWi-Fiルーターの干渉で起こるのは、Wi-Fiルーターとスマートフォン等端末間の通信の問題です。
ポケットWi-Fiとスマートフォンなどの端末の接続に利用される電波の周波数は「2.4GHz」が一般的です。
この「2.4GHz」という周波数を使用する電子機器はたくさんあり、Bluetoothで使用されるのもそうですし、電子レンジでも同じ周波数帯を使っています。
いくつもの電子機器が同じ周波数帯の電波を使用することで電波干渉が発生して、結果的にポケットWi-Fiの通信速度が低下してしまうわけです。
電波干渉が原因で回線速度が遅くなっていると考えられる場合、対処法として有効となるのが、ポケットWi-Fiの周波数帯を5GHzに切り替えるという方法です。
Wi-Fiルーターを使用する環境周辺でBluetooth等の同じ周波数帯を使用する電子機器がある場合、Wi-Fiルーターの周波数帯を変更することで、電波干渉を解消することが可能です。
ただし、5GHzという周波数帯には2.4GHzよりも障害物に弱いという特徴があること、また周波数帯の変更に対応しているポケットWi-Fiは一部の機種に限られているという問題点もあります。
原因⑤:速度制限の対処法
ポケットWi-Fiでは利用できるデータ容量に制限があり、それを超過した場合、速度制限がかかることになります。
速度制限がかかる条件は、契約しているプランによって違います。
月間の容量上限(50GB~70GB)の場合、その容量を超えて使用してしまうと、128kbpsの速度制限がかけられます。
データ容量無制限のプランで契約している場合は、規定の日数以内に規定されている容量以上のデータ通信を行うと、1Mbpsの速度制限がかかります。
月間の容量上限があるプランの場合、速度制限がかかると、原則的に月末までその状態が続きます。
容量無制限プランで契約している場合の速度制限は、翌日のピーク時間帯(夜間)8時間のみの制限となります。
月間のデータ通信容量に上限がある3大キャリアのポケットWi-Fiの場合、速度制限が発生した場合の対応策として「通信容量の追加購入」という手段があります。
1GBで1,000円程度かかりますが、今すぐ通信速度を回復させたい場合には有効です。
5つの原因に当てはまらない場合
ポケットWi-Fiの通信速度低下や繋がりにくくなる問題は、上述の対策で多くの場合解消されますが、実は上述の方法では解消できない場合もあります。
回線がパンクを起こしている可能性がある
5つの対策方法を試しても問題が解消されない場合、原因はWi-Fiルーターではなく、利用している回線自体に問題が発生している可能性が考えられます。
2020年の新型コロナウイルス感染症の影響によりテレワークが増加、その影響でポケットWi-Fiの需要が急激に伸びて、データ通信量も一気に膨大化し、回線パンクを起こすポケットWi-Fiも現れました。
回線側の問題で通信速度が低下してしまった場合、ユーザー側で対処できる方法は残念ながらありません。
唯一可能な解決策としては、現在契約しているポケットWi-Fiを解約し、別の機種に乗り換える方法もありますが、契約によっては違約金が生じる可能性もあるので注意が必要です。
Wi-Fiルーターの故障
これまで説明してきた原因のいずれも当てはまらないという場合は、ポケットWi-Fi本体が故障してしまったことも考えられます。
故障が考えられる場合の対処法としては「修理」「交換」もしくは「機種変更」「解約」の4つの方法が考えられます。
使用しているポケットWi-Fiがメーカーの保証期間内である、もしくは契約時にオプションの保証に加入していて修理を無料で受けられる、あるいは端末が最新機種の場合は修理することをおすすめします。
端末補償サービスに加入しているのであれば、交換するのも良いでしょう。
端末補償サービスには加入していないけど、すでに長期間にわたってポケットWi-Fiを利用しているのであれば、違約金なしで機種変更できる場合もあります。
修理代金が高くつくとか、交換・機種変更ができない場合は、解約した方が良いでしょう。
各社のポケットWi-Fiの公式ホームページには通常、故障した場合や修理を依頼した場合の対処に関するシミュレーターが用意されており、契約内容に沿ってベストな方法を調べることができます。
機種変更の条件は会社によって異なります。
docomoでは使用中の端末の残債と交換する端末の代金が発生します(オンライン申し込みなら手数料無料)。
auでも端末の残債と新しい端末の代金が発生します。
手数料は2,000円から3,000円程度です。
Softbankも残債と新端末の代金が発生します。
オンライン申し込みであれば手数料は不要です。
WiMAXは新規の端末代金16,500円(税込)で機種変更が可能で、更新月以外でも違約金が発生しません。
ただし、手数料3,300円(税込)が必要です。
料金の未払い・滞納
通信料金が未払いや滞納の場合は、サービス停止される場合があります。
WiMAXの場合は、クレジットカード払いだと支払い日翌月の中旬以降に、コンピニ支払いの請求書が郵送されてきます。
支払わないとサービスが停止され、WiFiルーターが使用できなくなります。
口座振替では、端末料金を分割で支払っている途中の場合、翌月の料金請求時に前月分と合わせて請求書が送られてきます。
端末料金を支払い済みの場合は、翌月に前月分と合わせて引き落としになります。
翌月に精算できない場合、数週間から1か月でサービス停止になります。
3大キャリアの場合は支払い方法の違いで処理が違うということはなく、支払日に精算できない場合、1~2週間でコンビニ支払いの請求書が届きます。
請求書が届いて数週間から1か月程度清算しないと、サービスが停止します。
故障を疑う前に原因を確かめて適切な対処法を取ることが重要
ポケットWi-Fiの通信速度が遅くなったり繋がりにくかったりといった問題が発生した場合、多くのケースでは故障以外の原因があります。
ここで解説した5つの原因のうち、条件に当てはまるものがないか、まずは調べてみることが大切です。
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