マンションに住んでいる人がインターネットを使うと「光回線のはずなのに速度が遅い」という意見をよく聞きます。
光回線を契約していても、戸建てとマンションでは速度に違いを感じることが多いです。
なぜ遅く感じるかというといくつか理由があります。
速度が遅い理由と解決方法を知っておくと、安心してインターネットを使うことができるでしょう。
目次
マンションで速度が遅いと感じる理由
マンションでは光回線を契約しているはずなのに、インターネットを使うと速度が遅いと感じる方は多いです。
その理由はいくつかあります。
VDSL方式を採用している
ほとんどのマンションでは「VDSL方式」を採用しています。
VDSLとは光回線の種類の1つなのですが、電話回線も併用しているため、純粋な光ファイバーの光回線よりも遅くなってしまうのです。
接続する人数が多い
マンションの場合、1本の光ファイバーを他の入居者と共有する形でインターネットに接続します。
一度に多くの人数が接続をすると、その分混雑してしまうため、速度が遅くなってしまうというわけです。
土日や平日の夜など、在宅している人が多い時間帯やインターネットを使う人が多い時間帯は速度が遅くなります。
電磁波の影響を受けやすい
マンションがVDSL方式の場合には、電磁波の影響を受けやすくなります。
これは電話回線を利用しているからです。
電話回線は電磁波の影響を受けないように処理がされていません。
電子レンジなど電磁波を出す機器を使用していると、その電磁波の影響を受けて速度が遅くなることがあります。
光回線の種類
マンションではほとんどが「VDSL方式」です。
VSDL方式とは光回線の種類のことですが、他にも「光配線方式」「LAN配線方式」があります。
それぞれの特徴について知っておくと、同じ光回線なのに速度が変わる理由がわかるでしょう。
光配線方式
光配線方式は、光ファイバーを使用して接続できる方式です。
光ファイバーだけしか使っていませんので、速度は一番速くなります。
戸建てではこの方式を採用しているところが多いです。
VDSL方式
VDSL方式は光ファイバーと電話回線を併用している方式です。
マンションの共用部分までは光ファイバー、共有部分から各部屋へは電話回線を引っ張ることで、インターネットに接続しています。
電話回線を利用しているので、光ファイバーのみの光配線方式よりも速度が遅くなるのがデメリットです。
集合住宅ではVDSL方式を採用しているところがほとんどと思ってください。
LAN配線方式
LAN配線方式は、光ファイバーとLANケーブルを併用しているものです。
有線で接続するので、通信速度が安定するというメリットがあります。
最近の集合住宅はほとんどVDSL方式を採用しているので、あまり見ることはありません。
配線方式を確認する方法
自分の家はどの配線方式かわからない場合、簡単に確認する方法がいくつかあります。
接続口を見る
接続口を見て、電話回線と同じモジュラージャックの場合「VDSL方式」です。
「光」「光コンセントSC」ならば「光配線方式」、LANケーブルとパソコンを直接つなぐタイプの場合は「LAN配線方式」となります。
端末を見る
プロバイダーから端末が届いてそれを使っていると思いますが、その端末を見てください。
「VDSL」と記載があれば「VDSL方式」です。
「ONU」ならば「光配線方式」で、端末自体がない場合は「LAN配線方式」となります。
これらの文字がない場合には端末に記載されている文字をプロバイダーのHPで調べてみましょう。
NTTに問い合わせる
自分で確認したけれどよくわからない場合には、NTTに直接問い合わせるとわかります。
自宅エリアの管轄のNTTか、契約しているプロバイダーの問い合わせ窓口に電話で問い合わせてみましょう。
VDSLが遅い理由
マンションのほとんどがVDSL方式であること、VDSL方式は光回線でも速度が遅いことがわかったと思います。
なぜVDSL方式は光回線なのに遅いのか、よくわからない方もいるでしょう。
VDSL方式が遅いというのは、いくつか理由があります。
電話回線を使っている
VDSL方式は光ファイバーケーブルと電話回線を併用しています。
電話回線はアナログ回線です。
アナログ回線ということはADSLとほぼ変わらないため、光回線方式よりも速度が遅くなってしまいます。
光配線方式の10分の1の速度である
VDSLは電話回線というアナログ回線を併用しているので、どうしても光配線方式よりも遅くなってしまいます。
だいたい光配線方式の10分の1の速度です。
光配線方式でインターネットを利用していた方は、VDSL方式では遅いと感じてしまうでしょう。
VDSLにもメリットがある
ここまで読んで「VDSLは遅い」というデメリットばかりと思うかもしれません。
確かに光配線方式よりも遅くなるのはデメリットですが、VDSLにもメリットはあります。
ADSLよりは速い
VDSLは電話回線を利用しているため、光配線方式の光回線よりは速度は遅いです。
それでも電話回線のみのADSLよりは、共用部分まで光ファイバーケーブルを引っ張っているVDSLの方が速くなります。
ADSLだと動画が止まってしまう・画像が荒い場合でも、VDSLならば特に問題なく観られるくらいです。
使用料金が安い
同じプロバイダーで光回線の契約をしても、戸建てタイプよりマンションタイプの方が月額使用料金は安いです。
マンションタイプは1つの回線を建物内の入居者たちで共有しており、1つの建物内で複数の契約を得ることができます。
そのため、同じプロバイダーでも戸建てタイプよりマンションタイプの方が、月々の使用量が安いところがほとんどです。
工事が簡単
光配線方式の場合には、光ファイバーケーブルを使うため、工事が複雑になります。
VDSLを導入する場合、既存の電話回線を利用することができるので、工事の内容が簡単です。
大規模な工事がいらないので、他の入居者に迷惑にならないことなどがメリットとなります。
工事費用が安い
VDSLの工事は光配線方式よりも簡単なので、その分工事費用も安くなります。
工事費用は実費というマンションも多いので、できるだけ導入コストをかけたくない方にもVDSLはおすすめです。
速度を改善する方法
VDSL方式だと、純粋な光ファイバーケーブルのみで接続している光配線方式よりも遅くなってしまいます。
これは仕方がないことなのですが、少しでも速度を速くしたい方もいるでしょう。
自分でできる速度の改善方法はいくつかあります。
有線で接続する
無線で接続している場合、有線接続にすることで速度が速くなることがあります。
無線よりも有線の方がLANケーブルを通じて直接インターネットに接続ができる分、速度が安定しやすいからです。
LANケーブルを買い替える
すでに有線で接続している場合には、LANケーブルを買い替えてみるのもおすすめです。
LANケーブルにも種類があり、VDSL方式の最高速度である100Mbpsより遅い規格のケーブルを使っていると、速度が遅くなることもあります。
「カテゴリー5」というLANケーブルの規格が100Mbpsに適したものです。
数字が大きい方が、通信速度が高い規格に適したケーブルとなります。
5より大きい数字のケーブルを買えば大丈夫です。
モデムを交換する
モデムの不具合が原因で速度が遅くなることがあります。
24時間接続しつづけているものなので、不具合や故障が起きやすいのです。
モデムが原因かも、と思ったときにはNTTやプロバイダーに交換依頼をして新しいものにしましょう。
ルーターを買い替える
モデムと同じようにルーターも使い続けることで不具合が起きることや故障して通信速度が落ちることがあります。
だいたい5年を目安に買い替えましょう。
ルーターの規格も速度に関係しているので、VDSLの通信速度の最高速度である100Mbpsに適したものを選ぶとより効果的です。
「11b」か「11ac」という規格のルーターを選ぶといいでしょう。
デバイスの不要データを削除する
パソコンやスマートフォンなどのデバイスのメモリが重すぎることも、インターネットの速度が遅いと感じる原因です。
不要なデータはこまめに削除する、使っていないアプリは削除するかバックグラウンドで起動しないように設定しておきましょう。
デバイス内のデータを整理するだけで、動作がスムーズになりインターネットの速度が気にならなくなることも多いです。
IPv6接続にする
パソコンでインターネットを利用しているならば、接続の規格を確認してください。
現在「IPv4」で接続しているならば「IPv6」に変えるだけで速くなることがあります。
同時に「IPoE」に接続方法を変えると、さらに速く安定して接続が可能です。
混雑しない時間帯に使う
マンションでは1つの回線を他の入居者と共有してインターネットに接続します。
接続する人が多ければ多いほど、回線が混雑して速度が遅くなってしまうのです。
一般的に土日や平日の夜などは在宅してインターネットを使う人が多いので混雑するといわれています。
その時間帯を避けるだけでも、速度が安定してインターネットを使えるようになるでしょう。
光配線方式に変更する
VDSL方式では遅い、もっと速くしたいという場合には光配線方式に変更するのが一番です。
マンションなどの集合住宅で現在VDSL方式でも、後から光配線方式にすることはできます。
変更が可能なマンションならば変更してしまいましょう。
光配線方式に変更するときの注意点
VDSL方式を光配線方式に変更することは可能です。
賃貸でも分譲でもそれは変わりませんが、工事が必要になるためいくつか注意点があります。
事前に注意点を確認して、トラブル防止に努めましょう。
管理会社や大家の許可を得る
VDSL方式から光配線方式に変更したい場合、工事が必要になることがほとんどです。
しかも光配線方式の工事は、大がかりなものになります。
事前に管理会社や大家の許可を得ることができないと、工事自体ができずに光配線方式へ変更することができません。
光配線方式にしたい、そのため工事が必要になるという点を伝えて、事前に許可を得ておきましょう。
プロバイダーの契約数を確認する
プロバイダーでは戸建てタイプとマンションなどの集合住宅タイプの2つの契約プランを用意しているところが多いです。
集合住宅タイプの場合には「建物内で〇軒以上契約すること」という規約を設けているところもあります。
契約数に満たない場合には、契約できません。
希望のプロバイダーの契約数が何軒以上か、自分の住んでいるマンションは契約数に足りているかを確認しましょう。
光回線方式に変更ができない場合
光回線方式は工事が大がかりになることが多いこと、場合によっては外壁などに穴を開けることもあるため、管理会社や大家から許可が出ないことがあります。
許可を得られないと工事ができないため、光回線方式への変更はできません。
変更ができなくてもあきらめるのは早いです。
通信速度を上げる方法はありますのでそちらを試してみましょう。
戸建てプランを個別に契約する
マンションでも戸建て向けのプランを契約することはできます。
戸建てプランならば回線を自分1人で使えること、自分の部屋に光ファイバーを直接引き込めるため、光回線方式を独占して使用可能です。
通信速度を上げたい、回線が混雑する時間も快適に使いたい場合は戸建てプランを個別に契約しましょう。
引っ越しを考える
可能ならば今の物件から引っ越すことも考えてみましょう。
光回線方式を取り入れている、または戸建てプランの契約ができる物件に引っ越すことで、通信速度を上げることができます。
物件探しの時に、その物件のインターネット環境を不動産屋に聞いてみると教えてくれるはずです。
戸建てプランを契約するときの注意点
集合住宅でも戸建てプランを契約することは可能です。
ただプロバイダーに連絡してプランを変更すればいいわけではありません。
事前に許可が必要になるなど、戸建てプランを契約するときの注意点がいくつかありますので、確認してから契約しましょう。
管理会社や大家の許可を得る
戸建てプランを個別に契約した場合、自分の居室まで光ファイバーケーブルを直接引き込む工事が必要です。
工事が入ることを管理会社や大家に伝えて許可を得てください。
許可が出ないと工事ができませんし、工事ができないともちろん契約もできません。
対応可能なプロバイダーを探す
マンションでも戸建てプランの契約はできますが、全てのプロバイダーで対応しているわけではありません。
希望のプロバイダーで「集合住宅で戸建てプランの契約ができるか」事前に確認をしておきましょう。
対応していない場合には、他のプロバイダーを探すことになります。
通信速度を上げる方法はたくさんある
VDSL方式は、純粋に光ファイバーケーブルのみで接続している光回線方式より通信速度が遅くなってしまいます。
ADSLよりは速いといっても、人によってはもっと快適にインターネットを使いたい、速度を速くしたいということもあるでしょう。
ここで紹介した対処方法を試すことで、悩みが解決できるかもしれません。
あきらめずにいろいろ試してみてください。
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